新戦力20
ハティの協力を取り付ける事が出来ると、事はあっけない程簡単に進行した。
彼女の弟妹は巨大要塞の外れにある建物で男に雇われた使用人に世話をされて暮らしていた。そこに立ち入り、弟妹たちを救出。
さらにハティの証言から男には仲間がいる事が分かると、その人間たちも残らず逮捕した。彼らは巨大要塞における裏稼業――すなわち、誘拐や強盗、そして密貿易に携わる無法者だった。暴力の世界の住人だけあって抵抗を見せる者もいたが、正規軍に敵うはずもない。あっという間に捕まり、巨大要塞にはびこっていた裏稼業のネットワークは壊滅した。
「巨大要塞の治安を乱す人間は捕らえないといけないと思っていたからね。ちょうど良かったわ」
とはエステルの言葉だ。
一方のハティはというと…、
「サムフ、ピレゥイ、ヴェス…か、体の調子は大丈夫!?」
そう言って、助けられた弟妹に走り寄った。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
ピレゥイと呼ばれた少女が答える。しかし、顔色は決して良くはない。元々病弱な体質なのだろう。
「ごめん、今まであんな奴らの言いなりになって…みんなを助けに行けなくて」
「ううん、姉ちゃんが俺らのために頑張っていてくれた事、知ってるから」
サムフと呼ばれた少年が答える。
「わたしも、いい子にして待ってたよ」
ヴェスと呼ばれた最も幼い少女も笑顔を浮かべた。
「うん…。みんなが元気で本当に良かった」
そう言って、ハティは幼い弟妹たちの体をを抱きしめた。




