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新戦力18

「ツバキ…!?」


 緊張感の高まるエレオノールとハティの間に、割って入ったのは、椿だった。


「下がるんだツバキ…!」


「勝手な事してごめん。…でも、僕に任せて欲しいんだ」


 椿は、ハティから視線を外さずエレオノールに答えた。そして、目の前の少女の瞳を見つめながら語りかける。


「…ハティ、君と話がしたい」


「お前と話す事なんてない…!」


 少女は敵意をむき出しに返答する。


「そうはいかないよ。僕は、君の弟妹かぞくを助けたい。そのためには君の弟妹かぞくがどこに居るか君に話してもらわなくちゃいけないから」


「ボクの弟妹かぞくを助ける…?」


 ハティは、不思議そうに眉をひそめた。


「おいハティ!そんなわけわかんねえガキの言葉なんて聞いてんじゃねえ!さっさと…」


 男がハティに叫び声があげたが、その言葉は途中で遮られた。


「…失礼します」


 エレオノールが、男の着ている服の襟首をぎゅっと締め付けた。男は、血の気を失ってがっくりと失神する。


「そうだ、僕は君の弟妹かぞくと…君を助けたい」


 椿は、少女に向かって歩み寄る。ハティは反射的に短刀ナイフの切先を椿に向けた。


「…信じられない。どうせ、お前もボクを騙す気なんだ」


「だったら、この先ずっとこんな事をしていくのかい?」


「なに…」


「こんな綱渡りのような事をして、本当にずっとやっていけると思ってるのかい。それで君の弟妹かぞくに幸せが来るって…」


「う、うるさい!お前に何が分かるんだ!」


 ハティは、椿の首筋に短刀ナイフを当てた。エレオノールは今にも飛び出しそうになるが――椿の背中から決意を感じ取り、ぐっと踏み止まった。

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