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新戦力17

 男の指図を受けると、跪いた姿勢で呆然と成り行きを見ていたハティは飛び起きた。


「よし、そうだハティ!」


 男は少女に指示を下す。


「さあ、さっさとこいつらをれ!」


「…抵抗しないでいただきたいと言ったはずです」


 エレオノールは、男の腕を一層強く捻り上げた。


「ぐあっ…う、うるせえ!素直に従っても牢にブチ込まれるだけだろうが!れ!ハティ!こいつらを殺せ!」


 ハティは、机の上に置かれていた果物短刀(ナイフ)を手に取るとエレオノールに向かって身構えた。戦闘用の短刀ナイフではない――が、ハティが持てばその危険度は跳ね上がる。


「その武器を捨てるんだ」


 エレオノールは、静かな声で言った。


「私たちは君に危害を加えるつもりはない。どこかに囚われているという君の家族も救出しよう」


「し、信じられるかそんな事…!」


 ハティは、敵意を剥き出しにしながらエレオノールに向けて一歩踏み出した。


「お前だって、どうせボクを騙すつもりなんだろ!…今まで貧民街スラムでさんざん騙されてきたんだ。これ以上…騙されないからな」


 短刀ナイフの切先をエレオノールへと向け、じりじりと近付いていく。


「あくまで手向かうと言うのならば…容赦はできないよ」


 エレオノールは、視線はあくまでハティに向けたまま…少女の後ろで音もなく動く人物の存在を把握する。裏口にいた男を無効化したリヒターだ。もしハティがエレオノールに飛びかかってきたら、エレオノールがその攻撃を受け止め後ろからリヒターが取り押さえる。それで決着はつくはずだ。


 確かにハティは脅威だったが、数はこちらが上。さらに武器は刃渡りの短い果物短刀(ナイフ)と来れば、明らかにハティに不利だ。


 だが、エレオノールは叶うならばハティと戦いたくはなかった。場合によっては少女を傷つける事になるし…ハティを味方に引き入れるのを諦めざるを得なくなるからだ。


 この期に及んでも説得に応じずこちらに殺意を向けて来るのであれば…互いを信頼する事はできないだろう。そしてそんな人間を野放しにしておく事もできない。ハティは、少なくともしばらくの間は牢獄で監視を受けて暮らす羽目になる。


 まだ幼い少女にそんな生活をさせるというのは、エレオノールにとって許容し難いものだった。しかし――そうも言っていられない状況だ。彼女には、守るべきものと為さねばならない事があった。


 エレオノールが戦う覚悟を決めたその時――彼女とハティの間に割って入る人影があった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] …ちんちくりん女?…ツバキをスパイだと感じた、お得意の感はどうした?…肝心な時に役に立たないとは…大した感だよ! …正直あの時は、ちんちくりん女は無感情のキラーマシンだと思ってたので…
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