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新戦力15

 震える声でハティは言った。


「…な、なんでも言う事は聞く。だから…だから、ボクの弟妹かぞくには手を出さないでくれ…」


「よし、それじゃあ次の仕事だ。エステル・ラグランジュとかいう司令官代理の命を奪って来い。そいつが巨大要塞フルングニル陥落の実質的な指揮官らしい。…密貿易商人の中にゃあ、恨みを持ってる奴が多いからな。たんまり礼金が貰えるだろうぜ」


 そう言って、男は下品に笑う。


「それと、だ…俺に跪け。そしてもう二度と俺に生意気な口はきかねえ事と、今回みたいなヘマはしねえと誓え。そうすりゃお前の弟妹かぞくの安全は保障してやる」


「分かった…」


 扉の奥で、ハティが体を伏せる音が聞こえた。続けて、


「ぐっ…」


 というハティの呻き声と、堅いものが地面に触れる音。男がハティの頭を踏みつけたのだろう。


(こんなの…)


 椿は思わず立ち上がる。我を忘れて今にも飛び出して行きそうになって…ハッと我に返る。しかし、左右に視線を向ければエレオノールとリヒターも椿と同じように立ち上がっていた。


「…私も、これ以上我慢して聞いている事はできない」


 エレオノールの声は静かだが、怒りが込められていた。椿とリヒターは頷く。扉を開けると、エレオノールを先頭に椿達は部屋に突入する。


「なっ…!?」


 跪くハティの頭に足を乗せている男、そして部屋の奥の椅子に腰かけている男…ふたりが呆気に取られた顔で椿達を見る。


「そこまでだ!ラグランジュ司令官代理暗殺の謀議で連行させてもらう!」


 凛とした声でエレオノールが言い放った。


「…それと、その足はすぐさまその少女の頭からどけるように。そこは、あなたの汚れた足を置いて良い場所じゃない」

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