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竜兵分隊

 話は数ヵ月前に遡る。


 ヌガザ城砦防衛戦、最終局面――すなわち、特務竜兵隊隊長、ジークフラム・ガイゼを撃退しユンカースが命を落としたその直後。


 隊長であるジークフラムこそ撤退したものの、城砦の中には取り残された者たちがいた。すなわち、ジークフラムと共に突入した5頭のドラゴンと、その竜に乗って侵入した特務竜兵隊の隊員たちだ。彼らの乗る竜は椿の作戦によって無効化され、隊員は全てヌガザ城砦防衛軍に投降した。


 この兵と竜についてどうすべきか、という議論が防衛軍の中で交わされた。


 ――いっそ殺してしまうべきでは。


 ユンカースの元部下たちの間から、そういった声も出た。ユンカースが命を落とす事になった直接の原因はジークフラムにあるが、その部下である竜兵隊隊員に対しても怒りが向けられたのだ。


 しかし、リヒターがそれを制した。


「そんな事してもユンカース隊長が喜ば無いだろう」


 それが彼の言い分だった。


「僕もそう思います」


 椿もリヒターの言葉に同意した。


 投降した者は捕虜となり、捕虜の命をむやみに奪う事は許されていない。もっとも、その決まりが必ずしも守られている訳ではなかったが…少なくとも、武器を捨て無抵抗となった人間の命を奪いたいとは、椿も思わなかった。


 ひとまず、捕虜となった特務竜兵隊隊員たちは聖都へ連れていくとして…次は、竜をどうするべきかが問題だった。竜は、体さえ冷やし続けておけば大人しくなる。なんとか竜たちも聖都に連れていく事ができるだろう。しかし、聖都へ連れていった所で門閥貴族たちはドラゴンを恐れさっさと殺してしまう事が予想された。だが…、


「この竜たちを使う事ができれば、聖王国にとって大きな戦力になると思うんです」


 数頭の竜が侵入しただけで、ヌガザ城砦は壊滅の危機に陥った。その力をこちらの戦力として使う事ができれば大きな力になるはず。そう考えたのだった。


「だから…できるなら、なんとかこの竜たちをどこかに隠しておいて、いざって時に使えないかなって…」


「アンスバッハ家は、聖都から少し離れた場所に領地を持っているのだが…そこに洞窟がある。その中であれば、隠す事はできるだろう」


 というエレオノールの提案で、5頭のドラゴンはアンスバッハ家の領地に匿われる事となった。

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