表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

120/1118

司令官代理

「ラ、ラグランジュ防衛部隊長、ですが…!」


「静まりなさい、と言ったはずよ」


 エステルがそう言い放つと、兵たちは押し黙った。普段は気楽な雰囲気でヘラヘラと笑ってばかりのエステルが、有無を言わさぬ口調で眼鏡の下の瞳を鋭く光らせている。その変貌ぶりに、兵たちは思わず臆した。


「10分ほど、副司令官とふたりきりにさせてちょうだい。作戦を練るわ。その間に、あなた達は兵達を起こして広場に集めて」


「は、はい、分かりました!」


 エステルに命令された兵は、慌てて駆け出そうとする。だが、エステルが彼らを呼び止めた。


「――ちょっと待って」


「…え?は、はい!何でしょうか?」


「あなたたち、一度深呼吸して。はい、息を吸って…吐いて。うん、そうよ」


 エステルは、にっこりと微笑む。


「慌てた様子でみんなを起こしたら、混乱が起きてしまうわ。今の状況は楽観視できないけれど、対応が不可能な訳じゃない。急ぐよりも冷静に行動する方が大事よ」


「了解しました、防衛部隊長」


 兵たちは、しっかりとした足取りで駆け出していった。


「さて、それでは…レホトネン副司令官。お話しましょうか」


「あ、ああ…」


 ふたりは、レホトネンの自室に入る。そこで向かい合った。


 レホトネンは、相変わらず混乱している…というより、混乱を通り越し放心している様子だった。対して、エステルは落ち着いている。


「まず、現在の状況をおさらいしましょう。今、北部要塞ノルドは攻撃されています。おそらく、相手は巨大要塞フルングニルの兵です」


「し、しかし、巨大要塞フルングニルが攻めてくるなど…!」


「否定したい気持ちは分かります。しかし、状況的に他の可能性はありません」


 これはもちろん、嘘だった。北部要塞ノルドを攻撃しているのは、エステルの指示を受けた聖王国兵なのだ。


「そして、敵の攻撃を止めるには出撃するしかありません」


「だ、だが、ヒーマン司令官の許可なく勝手に出撃するなど…!」


「司令官の命令を待っている時間はありません。今はあなたがこの要塞のトップなのです。レホトネン司令官代理」


「し、しかし、しかし…私には…」


「…ご決断できないようですね。――それでしたら、私に良い案があります」


 エステルは、レホトネンに近付き…静かに囁いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] …すいません、今気づきましたが、今回と前回の司令官のなまえが、ピーマンではなく、イモフになってます!オイラも自然と読んでましたが、敵と味方が混ざっちまうのは、まずいですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ