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エピローグ4
しばし見つめ合った後に、どちらともなくさらに歩み寄る。もう互いの体と体が触れ合う程の距離だ。
「ツバキ…大好きだよ」
「僕も…大好きだよ、エレナ」
エレオノールは瞳を閉じた。椿はそんな彼女を見上げ、少しだけ背伸びをして愛する人の唇に自身の唇を重ねる。
「わひゃああ!」
不意に、可愛らしい悲鳴が椿とエレオノールの耳に飛び込んで来た。そちらへ視線を向けると、顔を真っ赤にしたエマがこちらを見ていた。
「わ、わわわ!ご、ごめんなさいっす!その、2人とも何してるのかなと思って…!」
そんなエマの様子に、エレオノールはクスリと笑う。
「別に謝らなくても…」
そう言いかけた所で、エマの叫び声を聞きつけたのか部屋の方からカイが姿を現した。
「どうした、エマ・リッツ!?」
「い、いや、なんでもないっす!べ、べべべ、別にツバキっちとエレオノール隊長がちゅーしてる所を見て、びっくりした訳じゃ…」
「なにっ!?つ、ツバキとアンスバッハ殿が…ち、ちゅーだと…!?」




