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エピローグ2

 月明りを受けて、椿とエレオノールはしばし見つめ合う。互いを思いやる穏やかな気持ちを感じる事の出来る、心地のよい沈黙だった。


「エレナ…」


 少年が口を開く。だが、続く言葉が出て来ない。


 椿はこれまで、数々の強敵と対峙してきた。怪物の如きジークフラム。味方すら切り捨てる冷徹さを持つアイヒホルン。世界最強の武人ヴォルフラム。そして、ヒューゴ・トラケウ。今ここで自らの想いを伝えるという行為は、ひょっとしたらこれら強敵と戦う以上に勇気のいる事なのかもしれない。


 だが、今までどんな場面でもそうして来たように…椿は、逃げなかった。


「さっき…エレナに話したいことがあるって言ったよね」


「うん」


「それは、エレナに対する僕の気持ちなんだ。今までは…上手く言葉にする事が出来なかった。ひょっとしたら、今でも上手く伝えられないかもしれない。だけど、僕の気持ちを…きちんと伝えておきたいんだ」


 エレオノールは無言で微笑んで、少年をじっと見つめる。椿はその瞳を見つめ返して告げた。


「僕は――エレナの事が好きだ」


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