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戦いの後4

 エレオノール軍とヒューゴ軍の戦いは、エレオノール軍の勝利という形で終結を迎えた。無論、無傷での勝利ではない。リヒターを初め命を落とした者も多い。そういった者達への哀悼と勝利への喜びを胸に抱きながらも、椿やエレオノール、その他の物達は立ち止まる訳にはいかない。


 捕虜となったヒューゴ軍の兵士たちの処遇、新たな統治体制の構築…やるべき事は無数に存在している。そういった物事への対処を行う内に春は終わりを迎え、夏も過ぎ去っていった。そしてようやく新体制が確立し、ある程度の落ち着きを取り戻した頃。元聖王国王宮にて、ひとつの儀式が執り行われようとしていた。


 黄金の柱が立ち並び、床には深紅のカーペットが敷かれた玉座の間。そこに集うは、エマやボゥ、さらにはオスカーやエステルといったこれまでエレオノールを支えてきた面々。


 そんな彼ら彼女らが整列する間を、入り口から玉座に向かって迷いない足取りで歩く女性がひとり。黄金色の髪は窓から差し込む光で輝き、その凛とした表情は彼女の意思の強さを現しているかのようだ。


 常に甲冑と騎士服(サーコート)を身に纏っていた彼女だが、今はドレスに身を包んでいる。彼女――エレオノール・フォン・アンスバッハは、玉座に辿り着くと一同に視線を向けた。


「ただ今より、皇帝エレオノール・フォン・アンスバッハ陛下の戴冠式を執り行います」


 静かな部屋に響くのは、玉座の横に控えたホフマンの声。


 そう、これから行われるのはエレオノールの戴冠式…つまり、正式に皇帝として即位するための儀式である。

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