戦いの後2
エレオノールは椿に戦いの結末を説明した。その内容は以下の通り。
椿がヒューゴを倒した後、エレオノールは意識を失った椿を支えながら自軍と合流。その後、ヒューゴの死という情報は瞬く間に戦場に広まった。
当初はヒューゴの死を認めようとしない者も多かったが、結局それも時間の問題でしかなかった。ヒューゴの死が間違いないと判断されるにおいて、ヒューゴ軍右翼軍団と中央軍団はエレオノール軍に降伏するという道を選んだ。フィレル上将軍率いる右翼軍団などはまだ多くの兵を残していたのだが、それでも降伏という道を選んだのは、それだけヒューゴ・トラケウという人物の存在が大きかったというのが理由のひとつ。もうひとつの理由は、降伏して捕虜になった者に対してもエレオノールならば人道的な対応をしてくれるだろうという信頼だろう。
そして、ヒューゴ軍左翼軍団。この軍団は、エステル率いるエレオノール軍右翼軍団に対して有利に戦闘を続けていた。しかし、ヒューゴの死という情報が伝わると瞬く間に崩壊する事となった。その理由は…、
「フェルマー・シャルンホストは…ヒューゴの死を確信したと同時に、自殺したそうだ」
「自殺…?」
「ああ…」
フェルマー・シャルンホスト。常に飄々としてこの世の全てを小馬鹿にしたような男だったが…そんな彼が唯一心の拠り所としていたのがヒューゴ・トラケウだっという事だろう。
いずれにしても、これで長きに渡る戦いは終わりを迎えた。




