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最終決戦38

「ぐっ…」


 ヒューゴの口から苦悶の声が漏れる。少年の突き出した剣の切先が、すでに傷ついていたヒューゴの甲冑を貫き…彼の心臓にまで達していた。


「何故、だ…」


 驚愕の表情で呆然とするヒューゴ。


「私は…強い。誰にも負けない力を…持っている。その私が、なぜ…」


 なぜこんな子供に敗れるのか。ヒューゴには理解しがたい事実だった。


「確かに、あなたは強いです。僕よりも…ずっと。僕は…弱いから、沢山の人に助けてもらってここまで辿り着きました。みんながいなければ、あなたには…勝てませんでした」


「…そうか」


 ヒューゴはようやく理解した。結局の所、ヒューゴに従う者の多くは、その方が自分にとって有利だからと判断してそうしていたに過ぎない。


 対して、椿と共に戦った者達は心の底から彼を支え共に戦いたいと願った。その違いが勝敗を分けた。少なくとも椿はそう考えていた。


「そんな、下らない…理由で、私は…負けた、のか」


 そう呟いた後、ヒューゴはある事に気がつき椿の顔を見る。


「ツバキ・ニイミ…いや、新見椿。なぜ…泣いている」


 少年の瞳からは、大粒の涙が零れ落ちていた。

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