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最終決戦34

 椿は震える手で剣を構え、視力の残る左目でヒューゴを真っ直ぐに見つめる。その表情に、諦めの色はない。


 ヒューゴもまた、少年を正面から見返した。勝利を確信したこの状況にあっても、手を緩める気などはなかった。そして、最後の攻防が始まる。


 ヒューゴが剣を振り下ろし、椿がそれを避ける。しかしヒューゴの攻撃は絶え間なく、椿に息をつく暇も与えない。にもかかわらず、ヒューゴの攻撃は空を切り続ける。


(大丈夫…解析(アナリティクス)がなくても…今の僕なら、ヒューゴさんに…勝てる)


 これまでの戦いで、ヒューゴの攻撃はすでに見切っている。そして、何より…視力を失った右目に映るもの。それは、今までの戦いで見て来た仲間達の戦う姿。ユンカースやカムラン、そしてエレオノールの姿がそこに浮かび上がる。彼ら彼女らが一対一で戦ったとしても、ヒューゴに通用しないだろう。だが…彼ら彼女ら全員の動きを合わせれば、最強たるヒューゴですら上回る。


(ハティのように素早く…オスカーさんのように力強く…!)


 ヒューゴの繰り出した剣を避けつつ、椿は斬撃を繰り出す。ヒューゴはそれを受け止めるが、意外な力強さに思わず目を見張る。


(なんだ、こいつは…)


 眼の前の少年は体中に傷を負い、体力の限界も近い。それどころかスキルすら失っている。明らかにまともに戦える状況ではない。


「何故この状況で…戦える…」


 ヒューゴは歯噛みしつつ、次なる攻撃を繰り出した。それを避けつつ、椿はヒューゴに迫る。

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