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最終決戦21

 ヒューゴの攻撃により負傷を受けたオスカーは、ガレスの指示を受けた兵により身柄を確保され応急処置を受けた。オスカーの容体は重傷。肋骨の幾本かは完全に断たれ、出血も極めて多量。生きているのが不思議な程の有様であった。しかし、そのような状況でありながら…オスカーは騎馬に乗りヒューゴのもとを目指した。


 例えヒューゴのもとに辿り着いたとして、放てる攻撃は一度が限界だろう。そのたった一撃を放つそのために、自分は死んでしまうかもしれない。だが…迷いはない。


 ヒューゴの眼前にオスカーが迫る。その時、横合いからオスカーに向けて数本の矢が放たれた。ヒューゴが潜ませていた伏兵の放ったものだ。ヒューゴは、自身の安全を確保するために自身の周囲に数名の伏兵を潜ませていた。今まで彼らが動けなかったのはエレオノールや椿があまりにもヒューゴと近すぎたため、下手に手出しすればヒューゴ自信を傷つけてしまう恐れがあったからだ。


「オスカーさん!」


 オスカーの体に矢が突き刺さり椿が悲痛な声を上げる。しかし、このような攻撃など意にも介さないとばかりにオスカーは騎馬の速度を緩めず…ヒューゴに向かって大剣を振り下ろした。


 轟音が戦場に響き渡る。ヒューゴがオスカーの攻撃を受け止めた音だ。


「やはり通用しなかったな、オスカー・グロスモント」


「いや…まだだ」

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