最終決戦11
「我ら兄弟が先陣を切る!」
「さあ、後に続けい!」
マルセル、ルボルの兄弟が先頭に立ち、エレオノール軍の突撃を迎え撃つ。彼らは自らの事をエレオノールよりも格下だと認めていたが、それでもこの2人を止めれる者はそうはいない。単純な武力の高さに加え、兄弟ゆえの息の合った連携がこの両名の強みだ。エレオノールとて、この両名を前にすればいくらかは勢いを落とさざるを得ない――そう思われたが、しかし。進み出るマルセルの前に立ちはだかる男がいた。
「むうっ…そなたは…」
マルセルの前に立ちはだかったのは、隆々たる体躯を持った青年…ガレス・ウッドストック。そして時をほぼ同じくして、ルボルの隊に弩から放たれた矢が降り注ぐ。
「ぬうっ…」
矢の数は決して多くはないが、ルボルの進路を予め予期しているかのような的確な射撃。それを指揮するのは、聖騎士序列第五位、ウルフヘレ・ラヴァル。
「マルセル・ホイサーにルボル・ホイサー…その勇名は聞いてるよ。でも、君達の相手はアンスバッハ殿やツバキ君じゃない」
「ここは俺達が引き受けます。本隊はヒューゴ・トラケウの所へ向かってください!」
ウルフヘレとガレスの言葉を受け、エレオノールはさらに騎馬を加速させる。
「「むうっ」」
とエレオノールに迫ろうとするマルセルとルボルだったが、その進路はガレスの件とウルフヘレの弩に阻まれた。
こうしてエレオノール隊は、ガレスとウルフヘレ率いる友軍をここで分離する事となったが…その結果、もはや総司令官であるヒューゴまでの距離はあと僅か。総司令官同士の戦いが、いよいよ始まろうとしていた。




