最終決戦2
「ありがとう…みんな」
エレオノールは瞳を閉じ静かに呼吸した後、前方を見据え剣を構えた。
「突撃準備!目標、前方の敵軍!ヒューゴ・トラケウを倒し…そして、皆で生き残ろう。私も、生きるために――全力で戦おう」
◇
「…来ましたね」
一方、エレオノール軍を待ち受けるヒューゴ軍。その中央にいるクロエ・フィレルは、傍らのヒューゴに囁いた。
「ああ」
ヒューゴは短く応じる。この時点で、ミュルグレスが討ち取られたという報は彼の耳に届いている。ミュルグレスはヒューゴにとってシャルンホストと並ぶ腹心だ。自身の目的を明かせる数少ない人間でもあった。だが、そのようなかけがえのない人物の死にもヒューゴは動じない。
付け加えるならば、この戦いにおいてヒューゴは勝利へ向けていくつかのビジョンがあった。そのひとつはリヒターの奇襲によって防がれ、もうひとつはレイアがミュルグレスを討ち取った事で潰えた。だが、何も問題はなかった。
(結局は…私が全ての決着を付ければいい)
そう、最終的にはヒューゴ自身がエレオノール軍を壊滅させればいいだけの話だ。そして、ヒューゴ・トラケウにはそれを成し得るだけの実力があった。
「全軍に告ぐ。目標、前方の敵軍。敵を殲滅し、全てを終わらせよう」




