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勝利への道5
援軍が届いたのを受け、エレオノール軍中央第二軍団は体勢を立て直した。そして防戦の構えから一転、攻撃態勢に移る。
「エルンスト軍団長!敵が攻勢に移りました!」
「承知した。一時的に防衛に回るぞ。ここを守り切れば、敵の力は尽きる」
エルンストは部下に命令を下し、防御の態勢を整える。ここで無理をしてまともにぶつかろうとしないのも、彼のやり方だ。援軍で一時的に勢いがついたとしても、敵の主力はすでに大きく疲弊している。ここさえ守り切れば…あとは、疲れ切った敵を叩くだけで容易に勝利は手に入る。
「敵は部隊を3つに別けている模様…正面が約10万、左右がそれぞれ約1万程度です!」
「分かった。正面の防御にはニコラ将軍を当たらせろ。決してまともに戦おうとはするな。あくまで敵の勢いを逸らす事に全力を注げ…もちろん、危なくなれば俺が援護する。そう伝えてくれ」
「はっ!」
エルンストの命令を受け、伝令兵は駆け去っていく。




