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左翼軍団の戦い7

「見事な奇襲成功だな、リヒター殿」


 そうリヒターに語りかけたのは、エレオノール隊軽装歩兵部隊の副長ヘルバジオ・リヴァーシュだ。彼はかつて北統王国軍の所属であり一時は聖王国軍の捕虜となっていたが、今はエレオノール軍の所属となっている。


「まあ、そうだな。うまくいってよかったぜ」


 リヴァーシュの言葉に頷いてみせるリヒター。


「しかし、欲を言えばもう少し敵に損害を与えておきたかった所だが…」


「いやいや、あれ以上は無理だぜリヴァーシュさんよ。俺達に出来るのはあれが限界だ」


 奇襲を成功させたリヒターだったが、自分たちがヒューゴ・トラケウに勝てるなどとは思っていない。リヒター達は、敵軍の中でもヒューゴからは離れた位置を狙い奇襲を仕掛けた。しかも、奇襲成功の後にすぐさま撤退を行なった。それは、自分達に出来るのはそこまでだと理解していたからに他ならない。


「俺達が出来るのは、敵軍の端っこにチクチク奇襲してほんの僅かに行軍を遅らせる事だけだ。ヒューゴ軍が獅子(ライオン)だとすると、俺達はか弱いミツバチみたいなもんだからな」


「ミツバチ、か…。なかなか可愛いな」


 リヴァーシュは苦笑する。


「そうだ。俺達は可愛い虫さんだ。だがな、ブンブン飛び回ってチクチク突き刺して…少しずつ奴らの行軍を鈍らせてやる。それが俺らの戦い方って奴だ。面倒くせえけど、これに勝ちゃあ悠々自適の隠居生活だ。やってやるさ」

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