表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Time Loves  作者: ジャンマルγ
2/89

謎の小包と妻の秘密

 妻にはこれから帰ると連絡し、家までの片道約一時間ちょいを電車に揺られながら少し仮眠をとって帰宅の準備とする。電車に揺られている時間は正直あまり好きではないしかといって嫌い、というわけでもない。小刻みに揺れることで電車の中にいる時間はわりかし体の感覚が薄くなる。そこだけが少しだけ嫌な部分だ。往復で大体三時間。その間の時間は寝て過ごすことが多いがたまに電車で本を読んだりすることがある。本の内容は割と雑だったりもするが基本的には妻がたまに面白い、とセレクトしてくれるものを読んでいる。自分には合わないものだったりしても我慢して読んだりすることはある。なにかに熱中している時は周りのことなど忘れてしまうほどにその世界にのめり込む。そののめり込んでいる瞬間が俺は好きだ、何者にでもなれるような気がするし、何よりそこにあるのは自分だけの空間だからその空間を壊されるのが嫌だし自分から壊すことはない。一切微動だにしないほどにのめり込むためたまに周りから危なっかしい、と言われてしまう事もある。そんなときは何とかして自分の世界から戻ってきて周りの助けで我に戻る。

 なにより今の部署にいるのも部長がその自分の性格を生かすために迎えてくれた。給料が大事というのもあり仕事ははかどるし悪いことなどないように思えた。だけどだからこそ気づかなかったのは妻がずっと家で一人、という事だった。ちょっと考えればわかるのに自分のこの性格上周りが見えなくなりすぎるのだ。当然自分最優先になってしまうわけで。悪い性格だね、治さないの?といわれることは多い。だけども人間性格なんて簡単には治らない。それは仕方のないことなのだが……


「ちょっとだけこっそり見てみるか……」


 本を読んでいる途中でどうしてももらった小包が気になってしまった。そしてこっそり中身を見てしまった。……中身は何もない。果たしてどういう意図なのか。何を想定してなのか。全く分からないがそれでも家族間で何か取り決めがあり、それが俺にわからないだけの可能性だってあるしとりあえずこれは帰ってみて妻に見せてみないと何とも言えないところだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ