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初めてのお酒の味
毎年恒例の盆前の宴会はとても楽しい物だ。
今年は初めてお刺身という物を食べて本当に美味かったし、こっそり酒も飲んでみた。
「苦っ、これのどこが美味いんだ?」
船長達に隠れて一人で縁側でちびっと酒を飲んで思わず言ってしまった。
苦いし辛い。それを美味そうに飲んで酔っ払ってる船長達の気が知れない。
「大人の味ってやつだねぇ。
ヴァン」
酒を飲むのをやめて部屋に戻ろうとすると月夜に照らされたユリが妖しい笑顔で立ってこちらを見下ろしている。
「何?ユリ?」
「ちゅ〜してっ」
「…はいぃっ?!」
なんかユリの顔赤いんだけどってかユリも飲んだのか?!
「お願いぃ。ラムセスにはしたじゃん。ずーるーいー」
「おー!ヴァン、ユリにキスしてやれ〜!」
副船長まで…。
「…じいちゃん認めないからな」
「あっ、ストップストップ!し〜ちゃんわぁるど出ちゃうからストップよ」
「えー、船長の新曲ききたいー」
「たいー」
オーク双子がヤバイし〜ちゃんわぁるどを聴きたがってもうカオス。ユリは勝手に俺の頬にキスしまくってくるしホント…
「お前等全員爆破するぞ!」
トントン