ジュニアと一緒
風呂から上がり、食事をした後は睡眠の時間だ。
「おやすみ、ジュニア」
ミルクの匂いがするジュニアを抱き締め、ポンポンと優しく胸を叩いてやりながら俺は歌詞を忘れてしまったアルムの子守唄を鼻歌で歌ってやる。
(今は強くならなきゃな)
「まぁま…」
「俺はママじゃねぇよ。パパだよ」
何度言っても俺の事をまぁま呼びするジュニアに苦笑しながら、俺はアルム兄貴の事を語る。
「お前の父さんは本当に凄かったんだぞ。頭が良くて、かっこよくて…いつも俺を守ってくれてた」
「…うっ」
「おっと…泣くな泣くな」
泣きそうなジュニアを慌てて抱き上げ、抱っこしてあやしてやる。
「まぁま…とうしゃん…ラム?」
「ラムセスはお前の父さんじゃないよ。お前の父さんはな…星になったんだよ」
部屋から出てテラスに出れば少し星が見えた。
「あれだ。白い大きな星。あれがお前の父さんだよ」
小さい頃…アルムに言われた事をそっくりそのままジュニアに言った。
アルムも父親がいない俺を気遣って…星が父親だと教えてくれた。
「ふぇ…めぇぇぇぇぇん!」
「わー、もー、泣くなよ!ミルクの時間はまだ早いし…オムツも濡れてない…そうだ」
俺はジュニアを抱いたまま翼を広げ空に飛び立つ。