もう…カオス!
それから1時間。鬼のようにしごかれて俺達は地面に倒れている。
「も…ギブ」
「僕も…」
「私もキツイ…」
全力で挑んでもラムセスの体力を半分削れたか怪しい。
「今回は…296のダメージか。この3倍以上は頑張らないと駄目だな」
「うえぇ…」
3人がかりで1時間ラムセスに戦いを挑んだが与えたダメージはたったの296って…。
「──癒しの光よ!」
回復士が体力回復の魔法を唱えてくれるがもう立ち上がる気力がない。
「ヴァン、立てる?」
ユリが俺に肩を貸して立たせる。
「武器が悪いんじゃないか…?いい武器があればもっとダメージ出るんじゃ」
「武器という物は自分が扱いこなせなければ意味がない。もし相手に奪われた場合はそれだけ相手に戦力を与える諸刃の剣になる」
確かにそれはそうだ。現に何度もラムセスに剣を奪われて投げられてる。やっぱり俺自身が強くならなければいけない。
「今日はもう終いにしよう。風呂に入って食事にしよう」
「あー、俺もう腹ペコペコ」
「私もー。今日のご飯なんだろー」
「ヴァン、一緒にお風呂に入ろうね。洗ってあげるよ」
どさくさに紛れてユリがベタベタ触って来る。もう…カオス!