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決意
覚悟…
「ヴァン…」
俺は…
「ヴァン…」
どうしたいんだ?!
「ヴァン!!」
ガッと肩を掴まれ、俺はラムセスを見上げる。
「…すまなかった。まだアルム殿を失った傷が癒えていないのに答えを急がせた…」
グイッと頬を拭かれると涙を知らない間に流していたのに気付く。
「ヴァン.お前が白海賊を続ける内は黒豹王を殺す事は出来ない。復讐を胸にしまい、黒豹王の寿命が尽きるのを待つのもありだ」
「あ…」
「いいか、ヴァン.命は1つだ。お前はきっと誰よりも長く生きる。これから先何回も親しい者を亡くしていくだろう。
俺もまたその1人…お前のしたいようにするんだヴァン.復讐を諦め、隠れて生き延びるか命を懸けて戦うか。
俺はどちらでも協力しよう」
「ラムセス…」
これは…答えと言えるのか分からないけど、言いたい言葉が浮かんだ。
「俺は白海賊を辞めたくない」
「白海賊のままでどう戦う?敵はお前を殺す気で向かってくるぞ?」
「…強くなりたい。殺さずに叩きのめして、勝つんだ。そしていつか、いつの日か黒豹王を一発思いっ切りぶん殴りたい」