表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノーザンライツ団航海日誌!第三期  作者: カナル
最終話「ジュニア」
41/49

捨てられた小さな命

俺は差し出された赤子を抱く。ちょっと重たい。


「名前はアルムです。どうか大事に育てて下さい」


そう言うとオリビアは部屋から出て行こうとする。


「ちょっと待て。まさか子供を捨てていくのか?!」


ラムセスがそう怒鳴るとオリビアは泣き出した。


「仕方ないんです…こうしないと私は家に戻れません。家に帰って次の子を産み、乳を世界に提供するのが半山羊人の定め」


「そんな…」


ユリは絶句する。俺も…言葉が出ない。


「さようなら、ヴァン.どうかアルムをお願いします…」


そう言ってオリビアは俺達を振り切って出て行った。


「……」


「まぁま…」


俺の腕の中で小さなアルム…ジュニアは身をよじる。


「……」


たった今…何も分からないまま母親に捨てられたこの子を俺は…


「俺が育てる…」


「ヴァンが?」


「いや…難しいだろう。世話係りをつける。今は黒豹王を倒す事だけを考えろ」


「うん…」


世話係りに連れて行かれるジュニアを見送りながら…俺の中で黒豹王への殺意が少しだけ薄らいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ