目覚めたヴァン
それから僕とラムセスはアルムの日記とノーザンライツ航海日誌をヴァンに読み聞かせた。
「…アルム…」
涙を流すヴァンの目の周りや顔をお湯で濡らしたタオルで拭き、時には歌を歌ってあげるとヴァンはお粥を食べれるようになり、手も少しずつ動くようになり、そのうちに自分で水やご飯を食べられるまでに回復した。
「もう大丈夫…動くの辛いけど…」
「だいぶレベルが下がってしまったな。リハビリをせねばな」
「あのね…ラムセス…ユリ」
「なんだ?ヴァン」
「俺……黒豹王に復讐したい…」
僕とラムセスは驚いて顔を見合わせる。
「殺してやる…アルム兄貴を、俺の父親を殺したアイツを…」
「しかしヴァン…お前のレベルでは…」
ヴァンのレベルは3まで落ちていた。その辺の一般人よりも弱いくらいに。
「お願いします。ラムセス…俺を鍛えて下さい」
ヴァンは深々とベッドの上で頭を下げる。
「…分かった。お前を鍛えてやる。だがまずはまともに動けるようになるまでリハビリだ」
「それにユリも。ヴァンと共に居たいならお前も強くなる事だ。
俺は優しくはしない。それでもいいなら二人共黒豹王を殺せるくらい強くしてやる」
「「はい!お願いします!!」」
バンッ
僕達がそう誓う中、突然部屋に全裸の少女が入って来た。