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ノーザンライツ団航海日誌!第三期  作者: カナル
第7話「アルムの日記」
37/49

…おとうさん

「……っ」


「ヴァン!」


「ヴァン?!」


弱弱しくヴァンの口が動いた。

そして、ぎゅっと…弱弱しく手が握り返される。


「……うた……うたって……兄貴…おとうさん……」


ヴァンが…喋った…


僕はアルムの子守歌をまた再生し、ラムセスと一緒に歌う。


「空が晴れたら船を出そう

空の向こうに鳥が飛ぶ

鳥を追えヴァン、その翼で

明日も今日も鳥は飛ぶ

お前も元気に飛んでご覧

島いっぱい、お宝いっぱい

後ろには僕がいるから

前だけ向いて飛んでご覧

ヴァン」


もう一度歌うとヴァンは大粒の涙を流しながら瞼を開いた。


「「ヴァン!!」」


「……ユリ…ラムセス…?

兄貴は…アルム兄貴は…?」


僕はなんて言えばいいか分からず顔を逸らしたけど…ラムセスはヴァンの手を握ったままヴァンの胸に手を下ろさせ


「此処に。ヴァンの中にいつでもアルム殿はいる」


と優しく言った。


「……そっか…」


それで悟ったのだろう…瞼を閉じて大粒の涙をまた零すヴァン.


「ヴァン、喉は渇いていないか?腹は減ってないか?」


「両方…水ほしい…」


すぐにラムセスは口移しでヴァンに水を与える。


「もっと…」


そういうヴァンにラムセスは微笑み、医者には下がるように伝え、控えていた従者にはお粥を持ってくるように言う。


「ユリも」


「…うん」


ラムセスに楽飲みを渡され、僕も水を口に含むとヴァンに口移しで飲ませてあげる。

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