アルムの日記3
…其処からはヴァンの成長記録だった。
「アルム殿は本当にヴァンを愛しておられたのだな…」
「そうだね…」
1976年7月30日
日誌にも書いたけどこちらにも。
ヴァンと喧嘩をしてしまいました。でもすぐに仲直り。喧嘩の原因は僕をパパと呼びたいとヴァンが泣いたのです。自分もユリのように父親がほしいと…。
僕は父というものがトラウマです。僕が生まれた瞬間から向けて来るあの冷たい目…。
だから、ヴァン、どうか兄と呼んでください。まだ心の中で貴方の父親になる決心が揺らいでいます。貴方が生まれた時にはあんなにも父親になろうとしたのに…愚かな兄を許してください。
最後のページ
ヴァン、僕は間もなく死ぬでしょう…。
天魔の声が聞こえるのです…。
あぁ、愛しい我が息子ヴァン…貴方を傷つけてしまわないか心配です…
それでも最期の瞬間まで貴方と居たいと思うのは罪でしょうか?
愛しています、ヴァン…僕の息子。
貴方の成長を傍でずっと見たかった…。
もしも、もしもですが…僕にオリビアとの間の子供が出来ていたら、男の子だったらヴァン、貴方と冒険に一緒に行くように伝えてもらえますか?
息子に教えてください。必要なのは学問じゃない。愛なのだと。
愛していますよ、ヴァン.僕は天魔となって死んでも貴方の心の中にずっと生き続けますから。どうか、僕が貴方を世界一愛していたという事を忘れないでください。