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アルムの部屋
次にやって来たのはアルムとムッチョとパッチョの部屋。
「此処がアルム殿の部屋か」
ムッチョとパッチョの二段ベッドの向かいにはアルムのベッドがある。
「…」
ラムセスはまた枕の下に手を入れると
「同じ物か…欠片が重なるな」
ヴァンの枕の下にあった物とアルムの枕の下にあった物を繋げると同じ部分から取ったのだろうか、ピタリと重なる。
「他には…くっ」
松葉杖を置いて床に這いつくばるとラムセスはアルムのベッドの下から何か本を見つけた。
「ラムセス王、ご無理は…」
「…大丈夫だ」
ラムセスは見つけた本をパラパラとめくって行く。
「それは何なのですか?」
「…アルム殿の日記だ。初めは自分の出生を呪う事ばかり書いてあるが…途中からヴァンが生まれたのだろう。ヴァンの成長記録になっている」
「見せて下さい」
僕はラムセスからそのアルムの日記を受け取ると読んでみる。