30/49
遺品を取りに…
ヴァンが臥せってから30日が経った頃…
遂にヴァンは喋らなくなり、目も開けられなくなった。
「残念ですが…」
「ヴァン……」
ラムセスはヴァンを抱き締め、ひとしきり泣いた後…
「分かったよヴァン……お前はアルムの元へ行きたいんだな…」
と呟く。
「まさか…ラムセス王…」
嫌な予感がした。
「ヴァンを楽に…してやろう…
その前に、俺も一度ノーザンライツに、アウロラ号に行ってもいいだろうか?ヴァンの遺品を見ておきたい」
「!!」
遺品…つまりヴァンはもう…死ぬという事…。
「そんな…」
「これ以上は回復は見込めない。ならば愛する者の元へ送ってやるのが生きる者の務めではないだろうか…」
「……やだ…ラムセス王…貴方は王様でしょ…なんとか出来ないの?」
「……」
黙って首を横に振るラムセス。
「……分かりました。アウロラ号へのゲートは使えますか?」
「座標さえ分かれば飛べる」