27/49
大切な人を失って…~ユリside~
氷原にヴァンの声がこだまする…
「アルム……ヴァン、すぐ此処を離れよう。黒豹王が追って来るかもしれない」
「兄貴…アルム兄貴…アルム…」
ヴァンは壊れたように泣き、アルムの名を呼び続ける。
「ヴァン!!早く!!アルムの命を無駄にしないで!!」
そう言うとヴァンはアルムを抱き上げて立ち上がり、船の方へゆっくり歩いて行く。
「……」
僕はスズちゃんを…白い翼の有翼人になって裸で倒れているスズちゃんを担ぎヴァンの後ろを追った。
船に戻った僕達はひとまず貴重な1つだけしかないゲートキーを使って白獅子領王都ホワイト・プライドに戻りお祖父ちゃんにどうすればいいか尋ねに行くことにした…。