第4話「遭遇!黒豹の魔の手」~ユリside~
第4話「遭遇!黒豹の魔の手」
どうして…こうなったんだろう…
「ヴァン!ヴァン!!」
ヴァンは燃え尽きたように動かない…
そう、あの日から全てが狂い始めたんだ…
・・・
「いやー、なんか夢が叶っちまったなぁ」
「夢?」
僕は舵を操作しながら隣でるんるん変な踊りをするヴァンに聞き返す。
「ユリと!アルム兄貴と!スズちゃんで!冒険すること!いっやー、楽しいね!」
「でも今まで皆でしていた事を自分達でしなきゃいけないけどね…」
料理は僕とアルムで、洗濯は僕が、掃除は僕が……なんかほぼ全ての雑用、僕がやってる気がする。
「まぁ、仕方ないっしょ。助かってるよユリ」
「うん…そう言われちゃ敵わないね」
ヴァンの笑顔の為なら僕頑張れる。
「そろそろ着きますよ。上陸準備をしてください」
ゲートでこれば一瞬だったのだけどヴァンはあえて船で来た白獅子領北極。
「どうして此処を初めての航海の場所に選んだの?」
「それはな、此処がノーザンライツの原点だからよ」
原点?
「知ってるか、ユリ.此処で昔元船長の親父とお袋、白獅子の親父がローレライ達に挑んで殺されたんだ。
その復讐で元船長はノーザンライツを始めたんだとよ」
「へぇー。知らなかった」
なんかヴァンだけ知ってるのずるいな。
「アルム兄貴から教わったんだ」
「日誌に書いてありますよ。2代前の船長の」
「あー俺は日誌とか読むの苦手」
「全く。此処に置いておきますからね」
そう言ってアルムは机の上に航海日誌を置く。