俺を育ててくれて有難う。愛してくれて有難う
「そうだよな…」
アルム兄貴の子供は見たい気もするけど…出来なければアルム兄貴とずっと一緒にいられる。どっちがいいんだろう…。
「男の子だったら2歳になったらノーザンライツで最低でも10歳までは暮らせるように話しておきましょうか?」
「お、それいいね。アルム兄貴の子供なら大歓迎」
「ふふっ。貴方が兄貴と呼ばれる日が来るかもしれませんね」
兄貴かぁ。いい響き。
「アルム兄貴から教わった事、全部教えてやりたい」
与えられた愛も。全部教えて話して、大切に大切にしたい。
「アルム兄貴」
「なんです?ヴァン」
「…俺を育ててくれて有難う。愛してくれて有難う」
そう言うとアルム兄貴は俺を抱き締めてくれて
「僕も、貴方の親代わりになれた事、感謝してます。有難う、ヴァン」
と優しく撫でてくれた。
「さあ、風邪を引いたら大変です。服を着て部屋に戻りましょう」
「うん!」
部屋に戻ると皆まだ酔っ払って床に転がっていたので布団を敷いて寝かせ、俺とアルムも眠る事にした。
「なぁ、引っ付いて寝ていい?」
「いいですよ、ヴァン」
「やったー!
…兄貴毛ゴワゴワ」
「山羊ですからねぇ。
寝なさい、ヴァン」
「うん。おやすみ、アルム…」