表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/60

最終決戦

「っ!!!!」


 格好つけてみたは良いものの、まるで歯が立たない。

 しかも、怪我をさせてはいけないって考えているから、彼女を前にずいっ、と出されるとどうしようもなくなって受け身しか取れなくなる。


 というか、首輪が外れたものの、スキルが使えない。この空間の所為か、はたまた目の前の鎖の所為かはわからない。

 いやぁ、今までスキルに頼らずに生活してて良かったよ。


 なんて、呑気なことを考えている場合ではなく。

 軽く現実逃避してはいるけれど、いつ他の奴らが帰ってくるか分からない以上、なるべく早くケリをつけなければならない。ならない、のだが……


「おい、大丈夫か!?」


 今更来たのか感凄いけれど、来てくれるだけ有難い。まだ倒れるわけにはいかないって、なれるから。

 何をどうしたのかよく分からないけれど、今さっき駆けつけてくれた。と言っても、手出しはしないんだけどね。


「てか、がっつり意志持ってますよねっ!?!?」


 鎖が意志を持つってどんな状況何ですか!?

 意味わからないです。硬いから斬ることもへし折ることも出来ないまま、防戦一方で早いもので10分くらいは戦っている。


 正直いうとかなり辛い。防戦一方で何も決定打は与えられていない。

 疲れからか、防ぎ切れない場面も出てきている。

 このままじゃラチが開かないどころか、負けてしまう。一体どうすれば……


「おい、彼奴も今までの奴らと同じだ。落ち着いて考えろ!!」


 同じって言われてもあんたは高みの見物してるだけじゃん!!

 あんたも助けてくれれば良いのに!!来るだけ来て、見てるだけとか一番ムカつくんですけど!?さっき有難いって思ったけれど、やっぱりムカつく!



 ていうか、同じって言われたって、明らかに今までの敵よりもやばいでしょ。

 全然同じじゃないからね!?

 まぁ、きっと今までの敵みたく、転生できなかった魂がどうのこうのって話なんだろうけどさ!


 って、待てよ……同じ?同じ、同じ……。

 転生出来なかったからこうして身体をのっとっている訳で。そう考えると、いや、でも、本当に?


 でも、そんなこと言っても、もうこれしか思いつかないし、これが通用しなかったら終わりなわけで……


「あぁ、もう!やるしかないじゃん!!」


 うまくいかなかったらそれでおしまい、THE・ENDってことで。

 うまく行ったら、褒めて下さい。

 うまくいかなかったら……んなもん知るか!また何とかしてくれ!!うまくいくように願っとけ!


 私の友人には幸運の神様もきっと付いているはずだ!あったことあるかはいまいち覚えていないけれど、きっと行ける!

 私には神王という友達がいるんだよ!!神の中のお偉いさんと仲良くなれたんだから、それくらいの幸運は起きるはず、というか起こすんだ!!


「八咫霧」


 元のアンクレットに戻ってもらってもう一度見据える。

 息を軽く整えて、こちらに伸びてくる鎖から目を逸らさずに、閉ざさずに。覚悟を決めて。

 聞こえているかも分からないけれど、これに賭ける。


 届け。


 当たれ。



「         」



 告げた瞬間、首に何かが触れる感覚がした。














「……?」


 うん、本当に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ