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今後のお話

 さて、魔王との話し合いも終了して貸してもらった部屋に戻る。

 否、戻ろうとした。


「ヤッホー!!久しぶりに会いに来たよ!!いやぁ、見た目結構変わったねぇ」


「って、危なっ!?蹴ろうとしないでよ!!」


「一体何しに来てんの……アル」


 私の目の前に突如現れたのは、アルヴァンティヌス。私の前世、地球が存在していた世界を統治している神。

 昔の癖で、つい蹴りを決めようとしたのはご愛嬌というものにしておこう。うん。


「とりあえず、部屋に入れて!魔王と死神以外にバレるとヤバいし!ね?」


 であれば、こんな廊下のど真ん中ではなく、私が部屋に入ってから出てくればよかったのに……

 そう呟くと、その手があったか、と納得された。

 あれ?なんか以前よりも馬鹿になってない?いや、そんな訳はないか。


「で?どうしたの?」


「んっとね、今ディスティアが手を離せない状況だからボクが来たんだー」


 お知らせ?一体何の?

 そんな思いが顔に出ていたのだろうか、アルはニヤニヤしながら教えてくれた。


「部外者を神として認めることは、正直難しい」


 あぁ、その話ですか。

 答え出るの早すぎやしませんか?魔王様が伝えたのがついさっきだろうから、ものの数分で結果が出たと言うことになる。


 またまた表情に出ていたのか、話を中断して仕組みを教えてくれた。

 さまざまな世界を複数の神が並行して管理しているわけなのだが、時間の進み方はバラバラらしい。例えば、ある世界で1日分の時間が流れていても、別の世界では30分程度しか流れていないということだそう。


 早急に結果を出して伝える為に、一番時間の流れが早い世界線に手の空いている神様全員でおしかけて会議を開催したらしい。

 ちょっとツッコミたいところはあるけれど、まぁ、気にしないでおこう。


「さて。話を戻すけど、部外者を神と認めることは難しい。下手に欲が深かったり信仰心のある奴を選ぶと厄介だしね」


 まぁ、確かにそれはそうだ。

 ということは、考え直さなくてはならない。他にどうすれば……


「ただし!キミを神にするならば話は別だ」


「……は?」


「キミは僕らの存在を知りながら、僕らとは主従関係を結んでいない唯一の存在。キミは欲がそれほど深くないし、言っちゃうとアレだけど信仰心もない。であれば、やるとすればキミしかいない」


 いやいやいや!!

 どうしてそうなった!?私以外にも適任は居ますって!というか、何?やるとしたら今すぐ神様になれと?この私が!?


「いや、今すぐじゃなくて大丈夫!いや、今すぐかな……?」


 そこら辺ははっきりさせてください!!

 でも、まぁ、私が言い出したことだし、やらない訳にはいかないか。覚悟を決めろ、私!


「まって、ひとつだけお願いしても良い?」


「何?」


「チャーチに戻りたい。妹を助けたい。ずっとそばに居て助けられていなかったから、助けたい」


 私がチャーチに入った理由。

 それはまだ果たせていない。神になるのは受け入れる。ただ、助けを求められていた、というのなら助けたい。そして謝りたい。


「それなら大丈夫!今すぐって言ってもこの世界の時間で短くとも2、3日はかかると思うから!」


 だったら、彼女を助けることが、人間として生きている間にできる最後のことになるのかもね。

 それならば、悔いのないように最高の結末にしなくちゃ。

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