チャーチに行きます!
とりあえず、目標はチャーチ潜入して妹の救助??かな。ついでに、チャーチの人たちの意識改変できたら尚良し、というより最高!って感じかな。
でも、救助といっても具体的にどうすればいいか解らないし、そもそも潜入しなきゃいけないだろうし……
課題が多すぎる!!
てな訳で、ライアーナちゃんや、再会したばかりで申し訳ないが案をください!
「えっとね、アリエス家の消えた令嬢のミーナって事で正面から入れると思うよ」
……はい?
アリエス家の消えた令嬢、とは一体どういう事ですか?
いや、消えたというかどちらかといえば自ら勘当された感じですよ、私。それが、どうしてそうなった!?
しかも悲劇のヒロイン的なノリで、しかも正面突破しろと。
「さすがに無理でしょ」
「いや、そうでもないよ。今、チャーチ内では聖女の素質を秘めたミーナちゃんは魔王に攫われ、家族は魔王に脅されて家を追い出したって言ってる設定になってるから」
「はぁぁぁぁぁ!?」
なんでも、私が家を出た次の日にチャーチの人が家に来たらしい。そして、私が自分で家を出たという話を信用出来ずに、という事らしい。
いや、どういう事だよ。
ま、まぁ、それを利用すれば正面から入れるだろうけど。
問題は魔王が悪者になっちゃう、って事だね。魔王いい人らしいのに。多分、この世界を保つ上で神様以上に頑張ってる人だよ。
だってほら、言っちゃ悪いけど神様やってるのは時間を何度も巻き戻して、ただの人間にスキルとか大量に覚えこませた挙句に当の覚えた人間は使わないっていう謎自体にも関わらず傍観してるからね。
……って、あれ?もしかして、貰ったスキルを使わない私が一番やばい人?
いやいや、そんな事は無い!!……はず。
神様たちのツッコミが聞こえた気がするけど気にしない。うん!気にしたら負けだ!!
「っと、何はともあれ正面から潜入出来るって事でしょ?だったら行こう!!」
「え、今行くの!?」
「思い立ったが吉日!!」
「なにそれ!?」
後ろからライアーナちゃんの明日にした方が……とかなんとか声が聞こえるけど、振り返らないよ、私!前進あるのみ!
と、言うわけで着きましたよ、チャーチの本館前に!
白に青いラインの入った西洋風の鎧を着た人が2人、門の前に並んで立っている。厳ついねぇ、怖いねぇ。
ところで、なんで本部じゃなくて本館って呼ぶんだろ?
って、ここって聖堂も兼ねてるんでしょ?
門番がいるのは良いとして、神様に祈りに来たであろう人たちを追い返してるのはなんで?聖堂って確か市民とか一般人も入れる場所じゃなかったっけ?
もはや聖堂の役目放棄してる気が……
細かいことは気にしない方が良いよね!気にしたら負けだ!
きっと全部終われば元に戻るだろうし。これが元からだって言われたら元も子もないけど。
「あのー」
「なんだお前」
怖い怖い怖い。怖すぎる。
ギロッて睨まれたよ。私まだ10歳なんだよ?
そんな睨まないでよ、普通の10歳なら泣く子が出てるかもよ。
「私、ミーナと申します。元アリエス家の」
「馬鹿を言え。お前は最近噂の、子どものハイエナだろう」
子どもを強調された気がしましたが、気のせいではありませんよね?まぁ、そこは良いんですけどね?実際に子どもですから。
それよりも、冒険者をハイエナ呼ばわりですか。へぇ……
そんなことを言うってことはつまり、痛い目が見たいと、そういうことだよね、これってさ。ちょっとムカついたので、八つ当たりも込みでやりますね!!
と、いう訳で。
「……よっと、子どもだと思って甘くみてると死にますよ?」
え?何をしたかだって?私は何もしてないよ。
ただ、八咫霧ちゃんにテグスみたいな形になってもらってお2人の首に掛けてみました!こう、クルッとお2人の背後に回り込んで、えいやっ!って感じで。
いやぁ、2人が並んで立っててくれたから首の後ろに回すの楽だったよ!!
「私を中に入れて。……って、あれ?気絶しちゃってる?」
え?弱すぎない?
門番でしょ?それが、首に糸巻かれたぐらいで気を失ったら、門番の意味って……
ありえなくない?まさか、ライアーナちゃんが言ってた、黒いモヤモヤ補正、みたいな?よくわからないけど。
「ちょっとミーナちゃん!何やってるの!?バカなの?アホなの?あんぽんたんなの!?」
ライアーナちゃんに全力で肩をぐわんぐわん振られる。痛いからやめてほしい。
「なんでそんなことしちゃうかなぁ!?ミーナちゃんは、可哀想な、魔王に囚われてたか弱い乙女なの!!」
あ……そうだったぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?
最近イライラ溜まってたから、主にうざい人に追われて。だからハイエナ普通にキレて八つ当たりしちゃってた!?
で、でもさ……?そんなこと言われれたって私が冒険者やってるってこと知ってたじゃん?だからさ、そんな悲劇のヒロインは演じられなかったよ、きっと。
「……こうなりゃなる様になる!!とりあえず行こう!!」
「えー……」
ライアーナちゃんは諦めた様に肩を落とした。
2人で、ここのトップの人のところにでも行こうかな?行けば何とかなるかな?
いや、何とかするしかないよね。
よし、頑張るぞ!!




