物理特化…!!
家を出て、家名を名乗らなくなってから早数年。私、ミーナは冒険者として日々精進しています!
最近はスキルに頼らずに生活しているから、ステータスの成長はそれほどないけどね。
ちなみに、成長した私のステータスはこんな感じになっている。
−−−−− ステータス −−−−−
名前:ミーナ (旧姓:アリエス)
種族:人間
職業:(未定 ※ 聖女に適正有り)
体力:796
魔力:9999+
獲得スキル:
【遠視】Lv.10 【念話】Lv.10 【読心】Lv.10 【威圧】Lv.10 【投影】Lv.10 【分身】Lv.10 【強化】Lv.10 【凶化】Lv.10 【鬼化】Lv.10 【鷹目】Lv.10 【覇気】Lv.10 【速考】Lv.10 【並列思考】Lv.10 【精神分離】Lv.10 【転移】Lv.10 【祈祷】Lv.10 【精神異状無効化】Lv.10 【錯視】Lv.10 【幻覚】Lv.10 【隠蔽】Lv.10 【神語】Lv.10 【治癒】Lv.2 【修復】Lv.2 【収納】Lv.7 【刀術】Lv.5 【剣術】Lv.2 【弓術】Lv.3 【槍術】Lv.1 【薙刀術】Lv.1 【毒耐性】Lv.6 【魔装】Lv.1
特殊スキル:
【成長の鬼才】Lv.10 【神の神託】Lv.10 【神聖召喚】Lv.10 【神眼】Lv.10 【分裂】Lv.10 【叡智】Lv.10 【神化】Lv.10 【祝福の詞】Lv.10
称号:
【神を足蹴にする者】 【誓約者】 【異端者】 【神友】 【世界に反発する者】 【神を蔑ろにする者】 【神々の教え子】 【死の盟友】 【神の名付け親】 【神と対する者】 【隠密者】【神を泣かせる者】【神王の友】
所持品:
【八咫霧(形態:ネックレス)】 【マジックボックス】
体力はかなり伸びて、今では同年代の子の平均よりも高い。聖女補正をついに乗り越えました!
それはそうと今日は、私の10歳の誕生日兼、ギルドランク昇格記念にお食事会を開いてもらう予定なんだけど……
「おい。お前、オレと一緒に魔王退治に行かないか?」
なんだか厄介なことに首を突っ込んでしまったみたい。
こうなった原因は、遡ること数時間前。いや、その原因を引き起こすきっかけは数日前、ギルドランク昇格試験の日にまで遡る。
ついに今日はギルドランクDへの昇格試験。
ワクワクし過ぎて3時前には目を覚ました。二度寝をしようかと思ったけど、目が冴えて眠れなかったから、部屋から抜け出す。
帝都に知り合いはいないし、まだ成人していない私を一人暮らしさせるのは問題があるって言う理由で、ギルドマスター……ハロスの家の一室を借りて住まわせてもらっている。
ハロスのお陰で登録可能年齢に達していないのにギルドに冒険者登録出来たし、住む場所も困らないしで、本当に感謝している。
ギルドの職員の人も、冒険者の人も良い人ばっかりで恵まれているなって思う。
最初は年齢のこともあるから「帰れ」って言われたりもしたけど、今では一緒に臨時パーティを組んでくれたりする。
もっとも、「帰れ」っていうのは私を心配していってくれていただけだから嫌な思いはなかった。
なんて、そんな回想をやめて家を抜け出す。
家を出たことはハロスにバレてはいるだろうけど、一応手紙をリビングに残して出た。
今日は雲がないから月が綺麗に見える。まん丸とまではいかないけれど、割と丸い月。
心なしか、地球にいた頃より大きく見える月。まぁ、前世じゃ月を見上げること自体が少なかったからなんとも言えないけど。
「ーー!」
ん?裏通りに誰かいる??
こんな夜中に裏通りとか危ないから近づく人なんて居ないはず……
帝都はギルドだとかチャーチの本部だとか皇帝宮殿だとかがあるから賑やかだ。その分と言ってはなんだが、悪事を考える奴らも少なくはない。というかぶっちゃけ多い。
特に夜の裏通りに行こうものなら身ぐるみを全て剥がされる覚悟で行かなければならないとかなんとか、そんな噂がある。
そんな場所に一体誰が。
そう思って足音を消して声のする方へと近づく。
するとそこには、歳は私とそう違わないであろう少年と、それを囲む3人のチンピラ。
ぶっちゃけチンピラ。
実力は多分無さそう。いわゆる下っ端的なやつら。見た目もそうだし、立ち姿からもそれがうかがえる。
「お兄さんたち、何してるの?」
物陰から一歩出て、笑顔を浮かべて問いかける。
「おぉー、嬢ちゃんも何か俺らにくれんのか?」
なんて、下品な笑みを向けられた。
気持ち悪い。吐き気がする。
というか、私は帝都じゃ割と名前と顔は知られてる方だと自負している。
だから、私を見て「嬢ちゃん」だなんて呼んだこいつらは、ここに住んでいる人じゃないっていう認識で良いんだよね?
だったらさ、
「潰しても、文句は言われませんよね」
チンピラ供にも聞こえる声の大きさで告げる。暗闇の中からの返事はない。
でも、無言は肯定ってね!
私の言葉に「は?」とかなんとか言って、薄ら笑いを浮かべている1人に蹴りをぶち込む。
「八咫霧」
私の呟きに応えて、首に下げたネックレスが黒い霧と化す。
その霧が一点に集まり、ひとつの黒い竹刀作り上げた時、私は再び笑みを浮かべた。
八咫霧を構えて一番近くにいた男の胴を斬る。
視界の端で、もう1人が剣を取り出すが見えた。幼い美少女相手に刃物とか危な過ぎでしょ!?何考えいる訳?
「私じゃなきゃ対処できないでしょっつーのっ!」
八咫霧で剣を受け止める。けれど、抑えきれなくて、流す事にシフトチェンジする。
力強過ぎでしょ。マジで殺しに来てるじゃないですか。
これ、普通の竹刀だったら確実に折れてた。あの時、八咫霧持ってきてって頼んでよかったわぁ……。
私に攻撃を入れられなくて焦っているみたい。
でも、息が上がってきてるからここら辺で引いて欲しい。
聖女適性がある所為で思うように体力とか腕力だとかが付かないんだよね。だから、これ以上続けたら確実に負ける。
「まだやるつもり?やるんなら、容赦しないよ」
まだまだ余裕があるように不敵に微笑んで見せる。
けれど実際は余裕なんて全然ないし、これで逃げてほしいという願望しかない。
頼む。引いてください!!
「クソッ!覚えてやがれ、このガキが!!」
雑魚キャラとかが言いそうな捨てゼリフを残して、3人は走り去っていった。
……あー、良かったぁ!!
ものすごくホッとした。引いてくれなかったら逃げるしか無かったわ。
「あの、ありがとうございます!」
「良いよ別に。でも、ここら辺は危ないから来ない方が良いよ。ね、おっさん」
暗闇に向かって声をかける。
少年は不思議そうに私が声をかけた方を見つめた。
「そうだな。お前の言う通りだ」
暗闇からこちらに姿を現したのは大男とでも表現すべき怖いという言葉が似合いに似合う人間。
でも、知り合いだとそこまで怖いという印象は湧かない。
「お久しぶりです、おっさん」
そう言って私はおっさんこと、この裏通りを牛耳るジェッドさんに笑顔を向けた。




