世界改変あるいは新世界
全てiPhoneで書いてるんで、段落の1マスがありません。
思いつきで書き始めてしまった当アカウント三作目。
前二作、まだ序盤……
天に神は住まう。
ありとあらゆるモノが生きる「世界」と呼称されるものは、神たちにとって只の遊戯盤でしかなく、生きる全てが神の気まぐれによって生かされていた。
ある神の遊戯盤には二つの世界があった。
魔法の世界と武の世界だ。
しかし、神は遊戯盤が小さく感じた。
気まぐれで創った遊戯盤は今の神にとって小さな物だったのだ。
だから、神は考えた。
そして、一つの答えに辿り着く。
「小さいならくっつければいいじゃないか」
画して新しい遊戯盤は創られた。
その日は唐突に訪れた。
空に大きな蜃気楼が出現したのだ。
蜃気楼の先に迫る建物は見覚えのないものであり、人々はこの謎の現象に恐怖した。
そして、誰かが気付く。
蜃気楼の向こうはコチラに近づいてきている。だが、コチラも向こうに近付いているのだと。
二つの世界が蜃気楼を介して接触した時、世界は光に包まれ魔法と武の世界が誕生した。
§ § §
森で一人の少年が目を覚ました。
(俺はベッドで寝ていたはず……。ここは何処だ?)
まるで部屋が丸ごと転移させられたかのように、少年の周りには部屋に置いていた物が散乱していた。
(周りを見に行くにしても、ここらの物を回収しておかないとな)
日用品が一緒にある為、今後の生活に必要なのは間違いなかった。
少年は私服としている黒衣を着込むと、指先で宙に何かを描く。
すると、周りに散乱していた必要な物が光となって消えた。
「何、今の?」
少年は声のした方に振り向く。
そこには剣を構えた少女が警戒した様子で少年を見ていた。
「誰だ?」
「私は近くの都に居を構えている冒険者のシャルレアよ。貴方は?」
「俺はレイ。レイ・ラグナだ」
二人はそのまま見合う。そして、警戒を解いた。
お互いに敵意が無いと分かったからだ。
「ところで一つ聞きたい。冒険者って何だ?」
レイはシャルレアに問う。
シャルレアは驚いた後、胡散臭い詐欺師を見る様な目付きでレイを見た。
「冒険者を知らないの?」
「ああ、知らないな」
シャルレアは威張って言うことではないと思ったが、レイからすれば普通の反応だった。
「それともう一つ聞きたい」
「今度は何?」
「収納魔法も知らんのか?」
「え? 魔法?」
レイはこれで合点がいった。
どうやら、住む世界が違うのだと。
「近い都の名前は?」
「オルフェニアよ」
聞いたことのない名前だった。
レイは住む世界どころか、そのまんま世界が違うのだとようやく理解した。
冒険者とはシャルレアの世界の職業であって、レイの世界の職業ではないということだ。
そして、シャルレアの世界には魔法が存在しない。
「俺は部屋で寝てたから知らないんだが、最近何か起きなかったか?」
「世界が落ちてきた」
「は?」
レイは一瞬、何言ってんだこいつと思ったがどうやら本気で言っているらしい。
「蜃気楼みたいのが空に現れて、その向こうには見慣れない街があったの。どんどん近づいていって世界が光に包まれた。そして、気が付いたら近くにレイがいたの」
「蜃気楼……。空間に歪みが出て二つの世界が繋がったということか? しかし、転移魔法の類いも精々、虚数空間への接続が出来るだけのはず。異世界と交信したなんて記録はなかったはずだが……」
「異世界ってどういうこと?」
「俺はオルフェニアなんて都市の名を知らない」
「何を言ってーー」
「俺のいた世界にはオルフェニアという都市は存在しなかったと言っているんだ」
レイは断言した。
世界を旅することを趣味としていた旅人レイ・ラグナに知らない土地など存在しない。
辺境や秘境ならともかく、名のある都市ならなおさらだ。
「まずは、そのよく分からん現象で起きた被害を確認した方が良さそうだな」
「被害? ここでは何も起きてなさそうだったけど……」
「そちら側としては何もなかったんだろうさ。精々、ここらの木が消えたくらいだろう。だけど、こちら側はどうだ? 俺の周りには何があった?」
「何ってタンスとかが……あ、被害ってそういうこと?」
「状況から察するに俺一人がこっちの世界に飛ばされたなんてことはないだろう。逆に言えば、こちら側にそちら側が飛ばされたという可能性も否定出来ない。そこら辺の確認をした方がいいだろう」
そう言って、レイは立つ。
「オルフェニアっていうのはどっちに行けばいいんだ?」
「オルフェニアに行くの?」
「都と言うからにはそれなりの大きさがあるんだろ? 情報を集めるなら好条件だと思うが?」
「それもそうね」
シャルレアもレイに続き立ち上がる。
二人は森を歩き始めた。
幾分か歩いた頃、シャルレアの足が止まった。
舗装された道があるわけではない。
道に迷ったのかと思ったレイだったが、どうやら違うようだ。
「おかしい」
「何が?」
「こんな所に湖がある筈がない」
確かにシャルレアの前には反対岸が見える程度ではあるが、それなりの大きさの湖がある。
シャルレアには見覚えがないようだったが、逆にレイには見覚えがあった。
「これ、俺の家の近くにあった湖に似てる気がする」
「湖ってどこも一緒じゃないの?」
「見た目はな。さっき少し話した魔法の話をしよう」
魔法の発動には魔力というものが必要になる。
魔力は生き物が体内で生成するものと、自然界で生成されるものとがある。
湖は自然の恩恵によって生まれた水の溜まり場であり、必然的に多くの魔力を宿している。
その魔力にはやはり質というものがあり、質の良い魔力を宿した湖は儀式に用いられ国を上げて厳格に管理されている。
上位魔法師ともなれば、その見分けをする事くらいは容易に出来るのだ。
「ま、そんな訳で、ここの湖は俺のいた世界の湖だと思われる」
「じゃあ、さっき言ってた転移魔法? ってやつじゃないってこと?」
「単純な転移ではないだろうな。どちらかと言えば、二つの世界が融合したと考えた方が納得が行くくらいだ」
「どっちにしても、一度オルフェニアに戻らないと分からないって事ね」
「そうだーー何だ?」
少し離れたところで悲鳴が聞こえた。
こっちに向かって走ってくるのが見える。
「シャルレア様!? お逃げ下さい。あれは危険すぎます!」
走ってきた二人組ーー一人は声をかけてきた女性。もう一人は手を引かれて必死に走っている少女だったーーは、今にも崩れそうになりながらも必死に逃げる。
そこには巨大な蟲がいた。
「蛇? 新種のモンスター?」
「俺たちの世界ではムカデと呼ばれていた厄介な魔物だよ。まず、硬い。そして、特徴的な二つの顎がやたら強い」
「魔物?」
「自然界に魔力が溢れているのはさっき説明した通りだ。そこから自然発生した害悪が魔物だ。魔物は魔力を核にしているから、魔力さえあればどこにでも現れる」
「実体はあるんだよね?」
「硬いって言っただろ? 実体はあるし、バラせば消滅する」
「なら、切り伏せるのみ!」
いつの間に剣を抜いたのか、シャルレアが馬鹿正直に正面から突っ込む。
レイも戦闘態勢に入る。入らざるを得なかった。
正面には吹き飛ばされるであろうシャルレアが、後には力を持たない者が二人。
二人を抱えて逃げるには、少し時間が足りなかった。
声を上げてシャルレアがムカデに切りかかる。
狙いはムカデ自慢の顎だ。
二つは接触し火花を点てる。だが、それだけだった。
シャルレアは顎を切断することこそ出来なかったが、ムカデの突進をその身一つで止めて見せたのだ。
「すげぇなアレ。どういう仕組みだ?」
「あぁ……。お願いします。私たちのことは結構ですから、シャルレア様を、姫様を助けてください」
「は? 姫? 冒険者じゃないのか?」
「冒険者? 違います。あの方はシャルレア・デュ・オルフェニア様。オルフェニア王国の第一王女です」
「おいおい、オルフェニアって街じゃなくて国なのかよ。身分を隠さないといけないとは言え、色々と説明不足すぎるだろう……」
流石にシャルレアが姫様となれば、放置するわけにもいかない。
だからといって、彼女たちを放置すれば後で怒られそうだ。
レイはそう考え、少々慣れないが支援魔法を使用する。
「シャルレア! お前に身体強化と剣に切断属性を付与する。これで、バラバラに切れるはずだ」
一度ムカデと距離を取ったシャルレアにレイの魔法が付与される。
改めて突進したシャルレアはその勢いのまま、ムカデを一刀両断にした。
「これが武か」
レイは素直に感心する。
支援魔法を使ったとは言え、そう易々と一刀両断出来るような相手ではない。
それだけ、シャルレアの技量が見事なものということだ。
しかし、感心してるのはレイだけではない。シャルレアもまた、初めて触れる魔法の力に驚いていた。
「魔法の支援があるだけで、こうも簡単に切れるなんて……」
こうして世界は新しい門出を迎えた。
――2018/06/28追記――
PCで最終的に調整して投稿することにします。
段落関連もこれで解決(^^)
よろしくお願いします。
――――――――――――
皆さんこんにちは。初めての方ははじめまして。
普段はYouTubeにゲーム実況みたいなものを投稿したりしてるUUUM NETWORK所属の自称ゲーム実況者、初仁岬って言います。
ちなみに、「初仁」で「ういひと」って読みます。
今、現在、PCの編集で「才女の異世界開拓記」「RelicCode」とか書いてたりする人です。
二つとも更新が気まぐれすぎて全然進んでいません( ̄▽ ̄;)
そんな中、何故三作目か……
何か思いついちゃったんだよ。
いや、だって自分で書いてて言うのも何だけど、無双書きたくて書き始めたはずの「RelicCode」はいつ無双すんだよっていう。
多分、あと、10~20話くらい先だと思います。
それに対してこっちは壊します。
取り敢えず、なんか書いて壊します。
まずは次話だね。
ゆっくり書きたいという理由で前二作品はpagesを使って、どこかに座りながらMacやiPadで書いていますが、この作品は全てiPhoneのみでやります。
なので、私のiPhoneにデータ制限がかかると執筆が止まります。
また、iPhoneのスペースが全角にならない問題がある為、段落にスペースありません。
iPhoneの仕様に文句言ってください。
いちいち、ユーザー辞書を使う気はありません。
電車の中でのんびり書くつもりなので、書けたら投稿する形式です。
更新不定期なのはお許しを。
では、後書き長くなりましたが、また次回。