第1章 1.0 -始まり-
「タンスの中身どこいったん..」
朝起きて着替えを取るためにタンスを開けたら、そこには階段が続いていた。
タンスの中にあった高校へ行くための制服そして何よりも大事にしていた牧場の写真もすべて消えていた。
「これドッキリとかじゃないよな」
実際に数段降りてみると空気がひんやりと少し冷たくなったように感じた。
「壁は硬いし階段はコンクリート?なのかな ひとまず一度戻るか」
ひとまず入って見たが、今考えると無謀すぎるな冷や汗で体がベタベタする。
「おーい おにい 起きてるー?」
「お母さんがご飯だから早く来なさいだってさ」
「わかった 今行く」
ひとまずタンスのことは諦めて閉じておくか。でも、今日高校へ来て行く服どうしようかな。
階段を降りてテーブルに着くと美雪はもう食べていた。今日の朝ごはんはグラタンのようだ。それにしてもみんなTVを見て入るな。
「何か面白いニュースでもやってるん」
「おにい これ見てよ」
美雪の指して入るTVを見ると
現在原因不明の洞穴が全世界に発生しています。この洞穴に入った一般市民が2名死亡14名の重軽傷を負っています。中に入った数名に聞いたところ、ゴブリンと言った言葉を聞くことができました。このゴブリンにどのような意味があるのか詳しく聞くことが未だできていませんが、続報があり次第お伝えしたいと思います。また、この洞穴のことをダンジョンと国は名称を決定し速やかに調査をすることを防衛相がお伝えしています。
こんな感じの内容が流れて入るが、もしやタンスの中の階段もこの洞穴と同じなのではないか?だとすると引き返して正解だった。
「おにい これってダンジョンだよね!!
まさかのリアル世界にダンジョン発生なのかな!!」
美雪がすごくテンションを上げて入るが、それもしょうがないのだろう。いつも漫画やアニメでこんな魔法とか使えたらいいのになとか言って入るからな。
「このニュースを見ると危ないことがわかるだろ 見つけても入るなよな」
「そ そんなのわかってるし ちゃんと通報するもん」
「優希 美雪 今日学校行くのやめておいたほうがいいんじゃないん。外が安全かどうかわからないし」
お母さんがそう言ってくるが、ニュースでは洞窟と言って入るしなー
どうしたものか。
「そうだな、お母さん学校に言ってくれるのならそうしようかな」
さて、お母さんが学校に言ってくれるみたいだしあのタンス問題をどうにか解決しなければならないな
現状あの状態が続くのかそれとも消えてくれるのかがわからないからなネットの情報をひとまず調べてみるしかないか。
「学校に連絡してみたら、今日から一か月ほど様子をみるけど休校になるって連絡をもらったから安心して家にいれるわね」
今やっているニュースを見てからの判断としては、学校の対応は早すぎるところを見るとこのダンジョンが発生したのは真夜中にあったのかな。でも、学校が休みになったのはうれしいけど学校の友達は無事だろうか.. 心配だけどあいつらならまあ大丈夫か。
「わかった じゃあ部屋に戻っておとなしくしてるわ」
「おにいなにかゲームでもやらないの? 一緒に遊んで時間でも潰そうよ~」
「ん~ 今やってたニュースの事ネットで調べてみたいんだよな ごめんな、またこんどやろうな」
「え~しょうがないな~おにいは ゆるそう」
さて、パソコンを立ち上げてみたがどこもあのニュースのことで盛り上がっているみたいだな
なになに..
件名:ダンジョンあったんだが..
おやびん : おい、やべえよ さっきのニュースであったダンジョン?ってやつ裏山にそれっぽいのがあるのだが..
名無しさん : まじか、いいな~ 俺都心だしまだ発見された感じは周囲にないな で入ってきたんか? もちろん入ってみたよな
おやびん : それがな、階段が相当下まで続いていたから怖くなって帰ってきたんさw
名無しさん : なるほど、ダンジョンには階段がまず続いているのか ニュースではゴブリンがいたみたいなこと言っていたから入るとしたら武器がいるぞ
おやびん : おお 了解だ これからホームセンターいってくるわ それじゃあおつおつ
名無しさん : あ~ 近くにダンジョンないかな おれも入ってみたいぞ
ひとまず一つ見てみたがダンジョン発生は他の場所でもしているみたいやな
俺ももしあのタンスの奥に進む場合は何か武器がないとか..
今の残金をみると、家にあるもので代用できそうなのを探すしかないか。