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喧嘩別れ
君と喧嘩をした。
内容は本当に些細なことだった。
でも、今回は珍しく大きい喧嘩になって「君の顔なんて二度と見たくない!」なんて言ってしまって。
罪悪感はあったけど、後には引けなくて仲直りはしなかった。
明日にはどうせ仲直りできるだろうなんて思って。
夕方に君の携帯で知らない人から、君が事故で病院に運ばれたと電話がきた。
病院に行くと、君の代わりにいたのは、普段より冷たい肌をした君の抜け殻だった。
まさか、あんな言葉が君との最後の会話だと言うのか。
違うんだ! 二度と見たくないとは言ったけど、こんなことを望んだわけじゃない。
許してくれ、こんなことになるとは思わなかったんだ。
少しも望んでなかったし、本心でもなかったんだ!
喧嘩なんてしなければ良かった。
あんな言葉言わなきゃ良かった。
どんなに後悔してももう遅い。
君にはもう僕の言葉は届かないし、君とはもう一生話せないのだから。
僕は君に謝ることすらできないのだ。
君が僕をどう思ってたかも、もう誰にも分からない