表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翡翠色  作者: 暗蝶
1/1

一目

がやがやと賑わうオークション会場。

男共が品定めをしているのは珍しい悪魔やら獣人だった。


猫耳の女やインキュバス、様々な奴隷が売られるこの場所に、何故俺がいなくてはいけないのか。


「…ただのオークションじゃなかったのか……。」


ぼそりと呟いた男、黒亞奏は呆れていた。

仕事の部下にいい場所があると聞いてやって来たのだが、まさか奴隷のオークションだとは思わなかった。


一通り終わったら直ぐに帰って部下を怒鳴ろう。

そう思った時だった。


「さぁさぁ皆様お待ちかね!本日の大目玉だよー!」


男が声を大きくし紹介する、ああ、これで帰れるのかと頬杖をついた。


運ばれて来たのは檻、その中には一人の男がいた。


「さぁどうです!この翡翠の髪!瞳も同じく翡翠色!しかも悪魔の中でも上級の悪魔が手に入りました!どう調教しても構いません!最初は30から!さぁどうぞ!」


うるさそうに眉を顰め顔を上げるその奴隷は、冷めた目で手を挙げていく男共を見下していた。

一瞬、視線が合う。

翡翠色の光のない瞳に俺が映っていた。

そして一言 ¨たすけて¨


「…さて、現在590!590でごさいます!他にいらっしゃらないのならこれでいきますよー?さぁ!」


「………630。」


気が付けば、俺は手を挙げ、たった一言を発する。

全員こちらを向く、そして目の前の男も、じっとこちらを見ていた。


「…ほ、ほかに居ませんね!?し、終了です!630です!」


ばんばんと終了の合図にぞろぞろと人が帰っていく。

それでも気にせずに、俺は買ってしまったあの男を、ずっと見つめていた。




.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ