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第六話

注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。

作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。

『ミイラ取りがミイラになる』ということわざがある。

 ミイラ――人工的な加工、自然現象によって乾燥することで長期間原型を留めている死体の事である。

 16世紀から17世紀のヨーロッパでは、ミイラは一般的な薬として流行していた。

 一般に流行していたことは当然のようにミイラを集める仕事も流行、ミイラ取りを生業とする者が増えることになる。

 世はまさに大ミイラ取り時代――彼らは『ミイラ取り王に俺はなる!』と言わんばかりにロマンを追い求め、海の代わりに砂漠を越え、グランドラインを目指す代わりに墳墓を目指した。

 砂漠を越えたり、墳墓の中に入ったりする必要があったので、当然のようにミイラ取りという仕事には常に危険が付き纏い、志半ばで行き倒れるミイラ取りも多く居た。

『ミイラ取りがミイラになる』ということわざはこのことを指して生まれたという説である。

 そんな背景から『ミイラ取りがミイラになる』という言葉は、説得の為に行った者が逆に丸め込まれたり、連れ戻そうとした者が逆にそのまま一緒に留まってしまったり、行方不明になった者を探しに行ったら自らも行方不明になったりと、そんな用途で使用されたりする。

 特に『行方不明になった者を探しに行ったら自らも行方不明になった』という話は、常に二次遭難のリスクを考えなければならないほど、よくある話だったりするのだ。

 それほどまでに二次遭難とはよくある話で、『連絡手段を用意する』、『一人で探しに行かない』、『帰り道を確保する』と常に準備は怠らず、ミイラ取りがミイラにならないようにしっかりとした準備と心構えが必要なのだ。

 

「う~ん、何処に行ったんだろ?」

 

 周囲を見渡しながら、新島七海はそう呟いた。

 相沢梓からのメールが来た後、七海達は買い物を中断、捜索の為に一時的に別れて探す事となった。

 現在、行方不明者を捜索する為に一人街を彷徨い歩いている所である。

 時計を見ると捜索開始から早15分程経っている。

 見つかっても、見つからなくても15分後とに連絡を入れる事になっているので、そろそろ純一や梓に連絡しなければならない。

 

「……あ、みんなに連絡しなくちゃ!」

 

 時計を見た七海はそう独り言を呟くと携帯電話を取り出して気がつく。

 携帯電話がバッテリー切れになっていることに……。

 

「電池切れになってた……仕方ない、このまま探すとしますかぁねぇ~」

 

 そう言って使えなくなった携帯電話を仕舞うと再び行方不明者捜索を開始する。

 そして、しばらく探してから七海はあることに気がつく……。

 

「う~ん、何処なんだろ?」

 

 新島七海は迷子になっていた。つまり、二次遭難である。

 これが所謂、ミイラ取りがミイラになってしまった状態であった……。

 

 

 ***

 

 

 河野純一達を探すべく、俺は上下黒い衣服、黒いマント、顔を覆う黒い仮面と全身に黒を纏って街中を走り回る。

 

「ママ! へんな仮面つけた人がはしってる!」

 

「静かに! アレは見ては駄目な部類の奴よ!」

 

 などの外野の声が聞こえたりするが無視する。

 今は崇高な使命を全うする事が最優先であり、外野からの評価などは今は俺にはどうでもいいことだ。

 後から、思い出して切ない気持ちになったりするのは確実だけどね……。

 どうでもいいことだけど、「見ては駄目な部類の奴」って……世間一般では俺は妖怪か何か扱いなのだろうか?

 

 メールで状況確認をした際、三分の二ほど終わっていると書いてあった。

 その情報と買い物リストの内容から考えるにこの辺に居るはずなのだが……。

 腕時計を見ると、デパートを出てから三十分ほど経過していた。

 急がなければ、買い物が終了してしまう……。

 

 俺は周囲に気を配りながら、中央に道路が通った街中を疾走する。周囲を確認するが見当たらない。

 おかしい。普通に買い物をしていれば、この辺りで買い物をしているはずなのだが……。

 まさか、もう既に終わってしまったのか?

 立ち止まり、自分が何処に立っているかを確認する。

 リストの最後に書いてある物を買い終えたのなら、この辺に居るはずなのだが……見当たらない。

 

 俺は道路を挟んで向こう側の歩道へと視線を向ける。

 休日で昼過ぎの街中の歩道は対象を見つけるのが非常に困難なほど人通りが多かった。

 とりあえず、向こう側の歩道も調べてみるか……。

 近くに横断歩道が無いか、周囲を確認する。そして、数メートル先の横断歩道を確認した。

 

 数メートル先の横断歩道に向かって走り出す。

 横断歩道までやってくると、車通りも無く、丁度、すぐにでも渡れそうであった。

 そして、俺が横断歩道を渡ろうとしたその時であった。

 

「あっ! 河野先輩~!」

 

 河野先輩? 急ぎ周囲を確認するが河野純一の姿は確認できない。

 すると再び「こっちですよ~!」と声が聞こえる。

 声の方へ視線を向けると、こちらに向かって手を振っている新島七海の姿がそこにあった。

 こちらに向かって手を振っている? 急ぎ自分の周囲を確認するが河野純一の姿は無い。

 新島七海が勘違いしているのか? しかし、新島七海は未だに「こっちです! こっち!」っと言っている。

 新島七海は誰に向かって手を振っているのだ? そんなことを考えていると、ふと思い出す……。

 今の格好は正装……つまりは俺が仕事服であることから考えると、新島七海が俺を河野純一と勘違いして呼んでいるのか。

 確かにこの格好の俺が新島七海を助ける事でこの格好の俺が河野純一だと勘違いさせることでフラグを建てたのだから、新島七海が勘違いしてもおかしくないのだ。

 

 すると、いつまでも気がつかない俺に対して痺れを切らせたのか、横断歩道を渡って新島七海がこちらに来ようとしているのに気がついた。

 そして、新島七海に向かってスピードを出したトラックが迫ってきているのも……。

 俺は急ぎ新島七海を救う為に走り出すと、トラックに接触する寸前で新島七海を抱きかかえて、向こう側の報道へと飛ぶことでトラックを回避する。

 そして、新島七海を抱きかかえるような形で地面へと着地した。

 新島七海へと視線を向けると驚いた顔をしていた。見たところ外傷も無いのでどうやら無事のようだ。

 

「ママ~! へんな仮面つけた人すごいよ! あれ、ぜったいひーろーだよ! H、E、R、O(エイチイーアールオー)って書いてひーろーだよ!」

 

「静かに! アレは見ては駄目な(エッチ)ERO(エロ)な変態野郎って奴よ!」

 

 などの外野の声が聞こえたりするが無視する。

 今は崇高な使命の最中であり、外野からの評価などは今は俺にはどうでもいいことだ。

 というより、女の子を抱きかかえてるだけでエッチでエロな変態野郎扱いすな!! あと、4,5歳の無垢な少年に何を教えとるのかね!?

 などと思考していると、正気に戻った新島七海がもじもじと恥ずかしそうに言った。

 

「二度目……また、河野先輩に助けられちゃった」

 

 とりあえず、新島七海を下ろす。

 新島七海は頬を染めて俺を見上げる。

 俺はカバンからメモ帳とペンを取り出すと文字を書き始める。

 そして、書きあがった内容を新島七海に見せた。新島七海が読み上げる。

 

「えっと、『怪我は無いか?』……大丈夫、怪我は無いです」

 

 同じようにメモ帳に書いて、新島七海に見せる。

 

「『では、これで失礼する』ですか……」

 

 新島七海が読み上げたことを確認すると俺はすぐに退散すべく、背を向けるが「待って!」という新島七海の台詞と共に手をつかまれた。

 後ろを向くと下を向いていた新島七海が言いにくそうに言った。

 

「あ、あの! い、一緒に先輩を探しませんか?」

 

 先輩? 俺を探す?

 新島七海の先輩は河野純一、西崎、俺の三人であり、河野純一の場合は河野先輩、西崎の場合は西崎先輩、俺の場合は先輩と呼んでいる。

 つまり、この場合の先輩とは俺の事で新島七海は「一緒に俺を探さないか?」と言っているのか……あっ、これはいけるぞ!

 そして、閃いた。現状から逆転し、尚且つ俺が河野純一たちにイベントを仕込むよりも簡単に好感度を大幅に上昇させる方法を……。

 


注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。

作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。

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