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第五話

注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。

作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。

 話し合いの後、買い物を分担することになった俺達は連絡先をお互い教えあい、河野純一と新島七海が持つ2枚の買い物リストを半分にして、チームごとに持ち合う事にした。

 だが、そんなことはどうでもいい……いちいち気にしていたら、確実に胃に穴が空くので考えるつもりは無い。というより、現在進行形で胃が痛いから考えたくない……。

 とにかく、そんなことよりも問題なのは俺達に渡されたこの重要な方の買い物リストである。

 今回の計画では前半と後半で二つのイベントが体験できるようになっている。

 前半は買い物リスト通りに買い物をするだけの買出しイベントである。しかし、俺が抜けた後の後半は違う。

 後半は二人が買い物リスト通りに買い物をしていると自然とデートコースを巡るように買い物をしてしまうという、擬似デート体験ツアーというイベントがリストに隠されているのだ。

 前半と後半で体験するイベントが変るというこの計画において、一番重要なのは買い物リストである。

 前半の買い物(買出し体験)リストを持つか、後半の買い物(擬似デート体験)リストを持つかでチームが体験するイベントが大きく異なってしまう。

 その為、絶対に後半の買い物(擬似デート体験)リストは河野純一のチームが持っていないといけないのだが……何故か、俺達の手の中にあった。

 

「あ、先輩! 次はあっちに行ってみたいです!」

 

 買い物袋を片手に持ったコレジャナイあずにゃんこと、コレにゃんが開いている手でゲームコーナーを指差して言った。

 俺は「うん、いいと思うよ」と笑顔で答え、コレにゃんに後をついて行くようにデパート内を一緒に歩く。

 俺は現在、後半の買い物(擬似デート体験)リストの指示に従いながらコレにゃんと後半の買い物(擬似デート体験)をしていた。何故か、ホントに何故か……。

 最初は買い物をそうそうに済ませて解散し、河野純一チームにせめてイベントだけでも起こそうと眠い頭で考えていた。

 しかし、コレにゃんは見事に後半の買い物(擬似デート体験)リストに操られて、デパート内にあるクレープ屋やアクセサリーショップなどに興味を示して道草をする。

 本来なら新島七海や河野純一がコレにゃんのよう操られて、擬似デートを行なう手筈だったのに……何故、俺がコレにゃんと擬似デート体験をしているのだ?

 コレにゃんに誘導されてゲームコーナーまでやってくる。中に入りキョロキョロと辺りを見回した後にプリクラの機械を指差しながらコレにゃんは言った。

 

「い、一緒に……撮りませんか?」

 

「ん? あぁ、構わないが……」

 

 俺の返事を聞いたコレにゃんは何故か緊張しながらプリクラの機械に入っていく。

 俺もコレにゃんの後を追う様に中に入った。

 入るとすぐに『お金を入れて、画面をタッチしてね』と電子音声の案内が流れる。

 コレにゃんは財布を取り出すと百円玉を取り出し、機械に投入して画面を操作していく。

 

「う~ん、どのフレームにしようかなぁ……先輩はどれがいいですか?」

 

 はっきり言って、どうでもいいです。早く俺を解放してください、お願いします。

 今、俺にとって重要なのは、どうやってコレにゃんから離れて河野純一達の元へ行くかである。

 俺はコレにゃんの質問に「これとかどうかな?」と適当に花柄のフレームを指差して言う。

 

「先輩って花柄が好きなんですか?」

 

「君に似合うと思ったからだ」

 

 俺は適当に選んだ事がバレないようにそう言うとコレにゃんは下を向いてもじもじしている。

 発言のせいで変なヤツだと思われたのかも知れない。コレにゃんの顔が見えない為に真偽は確かめることが出来ないが……。

 

「と、とりあえず! さっさと撮っちゃいましょう!」

 

 そう言うとコレにゃんは花柄のフレームを選択して決定ボタンを押す。すると、しばらくしてから撮影が始まった。

 

「先輩、もう少し真ん中に寄った方がいいですよ?」

 

「あぁ」

 

 言われた通りに真ん中へ寄るとコレにゃんとくっ付くような形になる。

 コレにゃんがもじもじしながら下を向くと同時に『ハイ、チーズ』の電子音声と共に撮影される。

 

「あぁー!」

 

 すぐに液晶画面に撮影された写真が表示された。

 画面にはカメラの方に目線を向けている俺と下を向いたコレにゃんが写っていた。

 それを見たコレにゃんは慌てて取り消そうとして、決定ボタンを間違えて押してしまうのであった。

 

 

 ***

 

 

「……私、下向いてる」

 

 椅子に座りながら、プリクラを見てコレにゃんはそう言った。

 あの後、取り直そうとするコレにゃんを「買出しが終わってないから」と説得して連れ出した。

 今はデパート内にあるフードコートで休憩しながら、河野純一に状況を確認するメールを送るとすぐに返信が来た。

 河野純一達のチームは三分の二ほど終わっているらしい。つまり、このままでは俺が行動する前に全てが終わってしまうと……。

 ゆっくり考えている時間は無いな……まぁ、寝不足でまともな思考が出来ないのもあるが……。

 もう、深くは考えずに念のためにカバンに詰めてきた仕事着(ゼロの服)に着替えてこっそり抜け出すでいいだろう。それがいい。

 かなり強引な手になるが、それしかない。はっきり言って何もしないで終わるよりは遥かにマシだ。

 そして、俺は行動を起こすことにする。

 

「これから、二階の洋服店に行っていいかな?」

 

「洋服店ですか?」

 

「うん、実はこの前、ズボンの裾が破れちゃってさ……ついでだから、買いに行こうと思ってね」

 

「はい、大丈夫です」

 

 よし、後はタイミングを見計らって着替えて出て行くだけだ……。

 立ち上がると、洋服店を目指して移動する。

 二階の洋服店に到着した俺はすぐに適当なズボンを二つ選び、コレにゃんの前でどちらを選ぶか悩んだ演技をしする。

 一着を手元にもう一着を元の場所に戻すとそのまま試着室に入った。

 そして、しばらく時間を空けた後にコレにゃんに言った。

 

「――ごめん、さっきの青色のズボン、やっぱり履いてみようと思うから持ってきて貰っていいかな?」

 

「あ、わかりました」

 

 コレにゃんが試着室から離れたのを認すると持っていたカバンから衣装を取り出しすぐに着替え、着ていた衣服をカバンに詰めた。

 途中で鳴っても困るので電源を切り、携帯電話もカバンに放り込んでおく。

 カーテンを少し開け、外を確認すると運が良いことに誰も居ない。

 そして、俺は試着室から出ると河野純一達のところへ急いで向かうのであった。

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 From:相沢梓

 

 Sb:緊急事態

 

 

 突然、先輩が行方不明になった。

 連絡も通じません。

 どうすればいいですか?

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 数十分後、河野純一達にそんなメールが届いているとは知らずに……。


注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。

作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。

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