エンディング
注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。
作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。
――知ってる天井だ……。
目覚めるとアジトではない、別の場所――俺の部屋で横になっていた。
「俺は確か……ッ!?」
そして、アジトであったことを全て思い出す。
西崎が幹部になったことを……。
俺の幹部という地位が半年で終わりを告げたことを……。
「大丈夫ですか?」
ベットの横に座っていた西崎がそう言った。
「……俺、いや、自分は……戦闘員に降格したのですか?」
ふと、西崎が自分より目上の存在であることを思い出し話し方を途中で変える。
そんな俺の反応に西崎は溜息を一つすると言った。
「えぇ、そうです……それと……今朝、言ったとおり対等に扱ってくれて結構です」
「しかし、貴女と私は上司と部下という関係……」
そう、もう俺は幹部ではなく西崎直属の戦闘員……。
あの真っ白いゼロの衣装を俺に渡され、真っ黒いゼロの衣装が西崎に渡されたというのはそういう意味なのだ。
「だから……今朝、言ったとおり私と貴方は友人ですよね? なら、今は友人として扱ってください……なんなら――」
――私からの命令でも構いませんよ?
俺の言葉を予想していたかのように西崎は微笑みながらそう言った。
そうだったな……。
俺は今朝、西崎とそう約束したのだったな……。
「……あぁ、俺とお前は友人だったな」
「えぇ、そうです」
「それなら、西崎も敬語はどうかと思うが……」
「これは……その、クセみたいなモノなので仕方がありません!」
「そうか」
「えぇ、そうです!」
「そうか……」
しばらく、二人の間に沈黙が生まれる。
幹部から戦闘員へ降格した俺をどう励まそうか考えているのである。
西崎が何か話題を探しているのか、そわそわしている。
だから、俺は西崎に聞くことにした。
「……西崎」
「はい?」
「……教えて欲しいことがある」
「なんでしょうか?」
「あの女……梓という後輩の事を……」
「え?」
***
「はぁ、七海も先輩のことを好きになるなんて……」
相沢梓は自室のベットに仰向けで転がりながらそういった。
放課後、屋上から戻ってきた七海から告げられた内容……。
あのニセ者の河野純一の正体が例の先輩であること。
七海を二度も助けてくれたのが変装した例の先輩であること。
命恩人である例の先輩を七海が好きだということ。
そして……
『あぁちゃんが先輩を好きなのは知ってる……だけど、わたしも好きだから……どちらが先輩に選ばれてもわたし達はずっとずっと親友だよ』
そう梓は七海に言われた。
梓も例え七海が先輩に選ばれようと七海とはずっと親友でいたいと思っていた。
だから、七海が同じ考えだったのは嬉しかった。
だけど、いざ例の先輩を取り合っても関係は悪くならないのかと不安になってしまう。
「……やめやめ! 考えてても仕方がないよね!」
暗い考えを吹き飛ばす為に頭を軽く振る。
そして、梓は枕元に置いていたプリクラを手に取って見る。
一緒に買出しをした時に撮った例の先輩とのプリクラ……。
親友だけど、自分の恋を諦めたくなかった……。
だから、七海と全力で勝負をしようと決意する。
「先輩、七海に負けないように頑張るから……それで――」
***
「なるほど、相沢梓という名前か……覚えた、覚えたぞ! 相沢梓! その名前を記憶に深く!」
西崎律から相沢梓のことを聞いた男はそう言った。
男から『梓のことを教えて欲しい』と言われた時は、てっきり男が梓のことを好きなのかと勘違いした。
しかし、実際はそうでは無かった。
自らを幹部から戦闘員へと蹴落とし降格させた原因――
度重なる任務の妨害をしたあの後輩の少女――相沢梓を宿敵認識したのであった。
だから、梓の気持ちを知っている律が呆れていたりする。
それに気付かず男は宣言する。
「西崎、見ていて欲しい……俺は必ずあの宿敵、相沢梓を撃退し、必ずや――」
***
「――私の恋を成就させます!」
少女は決意しそう言った。
「――俺の夢を成就させる!」
男は決意しそう言った。
少女の恋を邪魔する者はゼロ
男の夢を邪魔する者は相沢梓
夢と恋が交差する時、物語が始まる――
――みたいにこの物語はこんな感じでここから始まった。
注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。
作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。