第十話
注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。
作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。
「はぁ、自分の蒔いた種なのだが気が重い……」
放課後、屋上へと続く階段を昇りながら溜息混じりに呟いた。
そう、月曜日の放課後になってしまったのだ……。
俺は新島七海が待っているであろう屋上を目指し、金属で出来た屋上の扉を開けた。
「待ってたよ、先輩!」
扉を開ける音に気がついたらしい新島七海が俺に声をかけた。
俺は新島七海の元へ近づき、「すまない、少し遅くなった」とだけ言うと、すぐに本題に入る。
「ところで今日は何の用事かな?」
「うん、今日はその、確認の為かな……」
確認? 途中でボイコットしたことじゃなくて?
確認……されることってあったか?
考えても思いつかないので、俺は新島七海に直接聞く事にした。
「確認って?」
「確認と言うか……確信というか……」
確認? 確信? 何が言いたいのだろう、この新島七海は……。
しかし、はっきりと言って欲しいものである。
そんなことを考えていると新島七海は自信満々に言った。
「先輩だよね? あの黒い仮面の人……」
「へっ?」
思わず情けない声が出た。
えっ? 何? 黒い仮面の人って誰?
頭が混乱する。冷たい汗が出てくる。
落ち着け、俺……。
新島七海は黒い仮面の人としか言っていない。
つまり、他人の空似、仮面の人違いの可能性だってある。
黒い仮面の人とは誰なのかを確認するために俺は新島七海に聞いた。
「え、えっと……黒い仮面の人って?」
「わたしのこと、二度も助けてくれた人だよ!」
新島七海を二度助けた黒い仮面の人……つまり、えっ?
俺の中のいろいろな機能が停止する。
そんな俺に構わず、新島七海は続ける。
「最初、河野先輩の持ち物を落として行ったから勘違いしちゃったけど……その、あの助けてもらった感じが一緒で……」
停止している俺を無視してクネクネと恥ずかしそうにしながらそう言っている。
「だから、先輩のことが――」
助けてもらった感じが一緒? 確信してるの?
つまり……好感度リバースとか?
いや、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ……。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わいそうな気がする……。
そう、これって……。
「――好きなの!」
そう顔を真っ赤にして言った新島七海は恥ずかしそうに屋上を後にした。
そして、携帯電話が鳴った。
俺は恐る恐る携帯を開き、メールを確認する。
どうやら、メールは総帥から届いたようだ……。
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From:総帥
Sb:今すぐ来い
詳しく話せ
いいな、逃げるなよ?
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携帯が手から零れ落ちる。
そして、足から力が抜けて膝をついてしまう。
どうしよう……。
オワッタ……ホントに終わった……。
俺はその場で真っ白に燃え尽きた……。
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作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。