第九話
注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。
作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。
悪夢のような土曜日が終わり、アッーという間に日曜日を通り過ぎて月曜日になっていた。
あれから考えたが、新島七海から俺への下がってしまった評価については仕方が無いと受け入れる事にした。
問題と言っても任務を遂行するにあたって、俺の行動に制限がかかってしまうことだけだ。
それについて、幹部である俺なら西崎を動かして任務を遂行すればいいだけの話である。
あとは俺の気持ちの問題で下がってしまった評価を俺が受け入れればいいだけの話である。
まぁ、その前に放課後、新島七海絡みのイベントがあるのだが……。
そんなこんなで俺は一番の問題である任務失敗の言い訳をどうするべきかと考えながら朝食を作っている。
味噌を溶かす作業を止め、お玉で味噌汁を小皿に取って味見をする。
「こんな所か……」
俺は食器棚まで行き、食器を取ると完成した朝食を移していく。
今日のメニューは味噌汁、出し巻き卵、ほうれん草のお浸し、上手く焼けたアジの開きとなかなかに豪勢なものだった。
すると、丁度いいタイミングで部屋の呼び鈴がなった。
俺は作業する手を止めると、玄関に向かい扉を開け訪問者を出迎えた。
「おはようございます」
「おはよう、西崎」
長いクリーム色の髪を揺らしながら頭を下げ西崎が俺に挨拶した。
朝昼晩と三食を西崎と一緒に取る。いつの頃からか週刊になっていることだ。
挨拶を済ませた西崎はそのまま俺の横を通り過ぎると玄関で靴を脱いで部屋へと入って行く。
***
「――なるほど、そのようなことが……」
土曜日の任務について説明をすると西崎は箸を止めそう言った。
それから、思考するかのように目線を下げ「……あの子もそうなんですね」と呟いた。
「何か気になる事でもあるのか?」
「いえ、これは私の口から言う内容ではありませんので……」
俺は西崎の言葉に「わかった」とだけ告げる。
「しかし、今回は本当にすまなかった」
「いえ、私も梓の行動を予想できていなかったところもありますので、気にしないでください」
西崎はそう言うと止めていた手を動かし再び食事を開始する。
俺もそれに続くように食事をする。
ふと「そういえば……」と西崎が言った。
「ん?」
「……今までの作戦内容が総帥に評価されたようで幹部に昇進するみたいで」
昇進? まぁ、西崎なら当然だろうな。
これからの任務遂行が難しくなるが仕方が無い……。
その辺は新しい部下が優秀なことを期待しておこう。
それよりも、今は元上司として西崎の昇進を喜ばねば……。
「それはいいな! そうだ、今日の晩御飯は西崎の昇進を祝って豪勢にしようじゃないか!」
「……ありがとうございます」
「気にするな、部下の昇進を祝うのも上司の務めだからな!」
西崎は再びお礼を言うと言葉を続ける。
「……その、これからは、私と貴方は対等な関係ですよね?」
「ん? あぁ、そうなるな」
「でしたら……」
「でしたら?」
俺が聞き返すと西崎は何かを決意したように視線を向けて言った。
「これからは私のことは西崎律という一人の女性として扱ってください!」
「へ?」
「いいですよね!」
力強くそう言われ、俺は「あぁ……」とやや戸惑いつつ返答する。
俺の返答に満足したのか、西崎は再び朝食を食べ始めるのであった。
西崎は俺と対等に扱って欲しかったということか……。
組織に入ってもう一年ほど、西崎は半年ほど俺の部下をやっていたことになる。
半年、対等に扱って欲しい……つまり、上司と部下ではなく、友人関係になりたいということだな!
「これからは対等だ、西崎! 俺とお前はこれから友人だ!」
「はっ?」
西崎は俺の発言を聞いて固まる。
何か選択肢を間違えたのかもしれない。
俺は確認の為に「ん? 違ったか?」と聞き返すと、何処か呆れたように西崎は言った。
「……いえ、違ってませんよ」
「そ、そうか……」
そう言うと西崎は無言で朝食を口に運ぶ。
にしては、妙に機嫌が悪そうなのだが……。
疑問に思うもそれ以外に思いつかなかったので、とりあえず朝食を食べる事にした。
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