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怪奇!クイズ回廊

前回の天使と悪魔のコイントスゲームをして、給食を食った俺達は深谷先生に連れられて別館の校舎に来ていた。


深谷「ここからはお前等の好きなように進め。扉がたくさんあるが、正解の扉は一つだけ。扉に一度入ればクイズに答えないと出ることはできない。」


遊「分かった。」


江夢「遊........ハッキリ言うと今回のクイズ回廊は俺を当てにするなよ。俺はお前みたいに頭よくないからよ。」


今更ながら遊には俺で良いのかと不安になっていたのだ。


遊「大丈夫だ。必ずこのクイズ回廊をクリアしてみせる。」


深谷「健闘を祈る!」


深谷はどこかへ姿を消した。


遊「じゃあ、行こうか江夢。」


江夢「そうだな。」


俺達はとりあえず手当たり次第に扉を開けてクイズに答えようと考えた。

まぁ、いきなり正解を狙う手もあるが、この別館は三階建てで結構広いのでいちいち扉を選んでいるとどこに入ったか忘れそうだからだ。



遊「とりあえず、一階から順に開けて行こう。」


ガチャ

最初の扉を開くとそこにいたのは.........................

廣瀬校長だった!


廣瀬「ウンウン、なかなかの選択だ。そうこれは知識を試すもの、闇雲に探し回って正解の扉を開ける運勝負じゃない。だいたいそんな奴は真っ先に間違える.......クイズも...........人生も.......!」



遊「前置きはもういい。さっさとクイズを出してくれ。」


すると、廣瀬校長はいきなり不敵に笑いだした。


廣瀬「フォッ、フォッフォッ。クイズなど無いよ遊君。」


江夢「何だって!?」


廣瀬「君達が運などに頼らずこの扉を選んだ時点でクイズは正解!!まぁ無論.......この扉は正解では..........ない。」


遊「なら此処にもう用は無い。行こう江夢。」


江夢「あぁ。」


俺達が扉から出ていこうとした時!


廣瀬「待ちたまえ!」


俺達は立ち止まり、廣瀬校長に振り返る。


遊「まだ何か?」


廣瀬「いやいや......ヒントをあげようと思ってな。」


遊は眉を少し動かし

遊「ヒント?」


廣瀬「そうヒントだ.....正解の扉に行き着くための.......」


江夢「何だよそれ教えてくれ!」


廣瀬校長はニンマリと笑うと言った。

ありえない衝撃的一言


廣瀬「正解の扉など有りはせんわ!」


遊「...........!」


江夢「はぁ!?」


正解の扉が無いだと?

じゃあどうやってこのクイズ回廊をクリアしろっていうんだ!?


江夢「ふざけんな!それじゃあこんなクイズ意味無いだろ!」


廣瀬「まぁ待ちなさい。何もゴールがないわけじゃない。」


遊「それならどうすればいい?」


遊も廣瀬校長を問い詰める。


廣瀬「まぁ、一言で言うとだな..........全部の扉のクイズを正解することだ....私はゴールは用意する.....ゴールの無いゲーム程つまらないものはないからな。」


遊はそれを聞くとフッと笑い

遊「ならお望み通り全問正解してやる。」


そうして俺達は今度こそ扉を出た。


江夢「全問って言っても全部でいくつ扉あると思ってるんだよ。」


遊「その点は問題ないみたいだ...........」


江夢「どういうことよ?それ」


遊「あれを見ろ。」


遊が指差した方向を見ると、廣瀬校長の部屋から出たところに今まで無かったポスターがあった。


江夢「なんだあれ?」


遊「いろいろと書いてあるな。」


このクイズ回廊に挑戦してる人に良いお知らせ!

この別館は一階、二階、三階とそれぞれ部屋が校長先生の部屋を除いて10個ずつあるの!

でも全部を廻るのが嫌ならこのクイズに答えてね☆


問題!

大きくなるほど小さくなるのは?


↓のパネルに打ち込んで

その下には50音のボタンがあった。


江夢「分かんねぇ。」


遊「打ち込むか.......」


ピッピッピッピッ

こどものふく

ENTER!


下の電光掲示板に文字が流れる。

正解!

これに正解したあなたは三階の10室をクリアするだけでOK!


江夢「なんか軽くないかこれ............?」


遊「まぁこれで10室だけで済んだんだ良しとしよう。」

こうして良く分からずに三階の10室だけで済んだ。

三階に向かった。


遊「じゃあ、こっちから行こうか。」


ギィ

扉を開ける。


深谷「おう、よく来たなお前等。早速国語クイズだ。」


国語クイズ

読者の皆さんも考えて!

サイコロを一回振ってピンの目が出る確率は六分の一。

誠君は二回サイコロを振るとピンが連続で出ました。

では三回目にサイコロを振った時ピンが出る確率は何分の一でしょうか?


江夢「う~ん、これなら俺でも分かるぞ!2回なら36分の一。3回なら216分の一だ!」


遊「違う!」


遊は俺が深谷に答えを言おうとすると止めた。


江夢「じゃあ、何だよ!計算違いか?」


遊「答えは.................六分の一だ!」


深谷「..........!」


江夢「何だと!?」


何がどうなったら六分の一なんだ!

終わりだ終わり!

クイズ回廊はここで終わりなんだ...........


しかし!

深谷が口を開く

深谷「正解だ........!」


江夢「えっ?」


正解だって?

なんでだ?


遊「江夢、問題は国語のクイズなんだぞ。ただの割合の問題じゃ数学だ。サイコロを三回目振る時ピンの出る確率を聞いているんだ。三回連続でピンを出す確率じゃない。何回目だろうがサイコロを振る時ピンが出る確率は六分の一。」


江夢「あ、あ~!」


今から考えると俺の方が馬鹿じゃないか!


そしてクイズに正解した俺達は次の部屋へ。


そこには青木先生というおばちゃん先生がいた。


青木「家庭科の部屋にようこそ!早速クイズです。」


ウインナー、フランク、ソーセージの違いは?


分かんねぇ!

さっぱり分からん。


江夢は完全に固まっている。


遊「答えは、ウィンナーは、羊腸を使用、又は太さが20mm未満のソーセージ。フランクは、豚腸を使用、又は太さが20mm以上36mm未満のソーセージ。ボロニア牛腸を使用、又は太さが36mm以上のソーセージ。」


青木「あらら、正解ですー!」


やっぱり凄いな遊は。

それに比べて俺は........


遊「どうした次に行くぞ江夢?」


江夢「やっぱりお前白石と組んだ方が.......良かったんじゃないかって?」


遊「何でだ?」


遊は眉間にしわをよせて江夢に向き直る。


江夢「いや、俺はお前みたいに頭良くないから、白石は結構頭いいみたいだし.........」


遊「そんなことを気にしていたのか?」


江夢「えっ?」


遊「俺が頭が良いとか悪いとかでパートナーを選ぶ人間だと........?俺は江夢とは友達だと思ってたからお前を選んだんだ。今もその選択を間違ったとは思ってない!気にするなそんなことを、俺が..........クイズを全て正解する.......それは....お前が分からないからじゃない、俺が正解すると約束したからだ。」


そういうと、遊は次の部屋へ進んで行った。


金子「こんにちは、遊君ではクイズを出そう。」


クイズ

ヒトの正式学名は?


遊「霊長目真猿亜目狭鼻猿下目ヒトニザル上科ヒト属ヒト。」


金子「お前なら当たり前だな、正解だ。」


こうしてどんどんクイズを正解していく遊。


クイズ

二種類ある非常口のデザインと意味を答えろ。


遊「白地に緑の文字で「非常口」と書かれたものと、緑地に白で書かれたもの。緑地に白文字は「避難口のある場所」示して、緑文字の方は「避難口への通路」。白文字の方が逃げ道に近い」


正解!


次の部屋へ


美術の先生がいた。


中島「あら、やっと来たのね。じゃあ問題。」


クイズ

最後の晩餐で食べられている食べ物は?


遊「赤ブドウ酒、荒挽きの黒パン、羊のロースト、ナツメ、リンゴ、シナモン、イチジクを混ぜて作った「ハロセン」と呼ばれるソース(羊肉をつけるためのもの)と言われている。」


中島「正解。」


そしていよいよ最後の部屋。


山口「よしクイズだ。全部答えろ。」


クイズ!

①地球のプロフィールを命令通り書きなさい。

②女性が離婚してから結婚してはいけない期間は?

③南極点に磁石を置くとどうなる?


江夢「こんなの三問だろうが!ふざけんなよ!」


山口「お前がそういうならこっちは構わないよ。賞金も当然ないがな。」


遊「答えるさ。まず一問目の答えは年齢…45.5億年

太陽からの距離…1,496 x 10の8乗km

平均半径…6,371.0km

長半径…6,378.136km

質量…59.736 x 10の23乗kg

自転周期…23.93419時間

全球平均気温…14.46℃

自転軸の傾き…23.45度

地球の自転速度…時速10万6000km

地球の自転周期…23時間56分4.1秒

公転周期…0.9999786年

軌道速度…29.7859km/s

海洋の平均深度…3794m

海洋の質…約135京(1.35 ラ 1018)t

赤道のふくらみ…21km

北極のふくらみ…10m

南極のへこみ…約31m

地球軌道の長さ…約9億3890万km

陸地と海洋の比…1対2.42

大気…窒素78%、酸素21%、その他1%

ちなみに地球の年齢を1年に例えると、地上に人類が現れたのは12月31日の午後11時55分であり、文明をもつようになったのは11時59分後である。二問目の答えは女性は、六ヶ月を過ぎないと法律的に再婚は出来ない。

『民法第733条第1項 女は、前婚の解消又は取消の日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。』

理由は、再婚後に生まれた子の父親が、前夫なのか、後夫なのか混乱を防ぐ為。

ただし、次のような場合にはこの規定から外される。

①前夫の子を妊娠している時は、その子を生んでしまえばその日からでも再婚は出来る。

②夫が失踪宣告を受けた場合。

③離婚した夫婦が再び結婚した場合。

④夫の生死が三年以上不明のために、裁判離婚した後の再婚。」

山口「では最後は?」


遊「三問目の答えは........」


おれはそこで遮る。

初めて問題に答える。


江夢「この問題は任せろ最後の答えは磁石はS極は北東の方角を示す。実は南極点は磁石にとって意味はない。

磁石の指す南とは、南極点の方角ではなく、南磁極という南極点から少しずれた地点の方向。

だから、南極点に置かれて磁石のS極は、南磁極の方角を指す。

南極点と南磁極とが違う場所にある。南極点は自転軸の南端にあり、つまり、南極点は地球儀でいう頂点。一方、南磁極は地球内部の核の自転軸の南端にある。

これは、核はどろどろの溶岩のようで、地表面の自転と、核の自転との間にわずかながらズレが出来るから、これが南極点と南磁極とが異なる理由。

しかも、南磁極は一定ではなく、たえず移動している。

磁極点が1年で10km位も動いてるらしい。

では、南磁極に磁石を置くと、どうなるか。この時は、S極を下にして、磁石は直立する。」


遊「なんで知ってるんだよ?」


江夢「この前たまたま雑学で見た。」


山口「くっ........正解だ。」


江夢「やぁったぁ!」


すると廣瀬校長が後ろの扉から入ってきた。


廣瀬「素晴らしい!.....流石だな。クイズ回廊クリアだ、ほれ金一封だ。」


廣瀬は百万円を投げる。

ポスッ


遊「校長先生が百万円というのは四ツ倉先生と同じ額ですが?」


廣瀬「厳しいね.......遊君は。しかし、大した賭けもせずに百万円だ。私的にはこのゲームの賞金としては十分だと思うが...........まぁ良い、いずれもっと凄いギャンブルをしよう。いずれな........」


遊はフッと笑うと、百万円の入った封筒をポケットにしまい込んだ。


遊「ではさよなら廣瀬校長先生。」


バタン!

扉が閉まる。


山口「良かったんですか校長?」


山口が廣瀬校長に向かい疑問を投げかける。


廣瀬「何がだね?」


山口「百万円をすんなり渡さずにギャンブルで取り返せば良かったのではと.........」


廣瀬「貴様は分かっていないな山口。」


山口「何がでしょう?」


廣瀬「奴は........天才だ。紛れも無いな....人間というのは石ころも同じ..........皆大した変わりはない。そのくせ人間共は自分を......特別扱いする。だが、彼は違う、確かに石ころは石ころだが.............ダイヤモンドの原石だ。彼は磨かれるはずだ.....これからの戦いで強くなるはずだ、もっと固く....もっと光る....!」


―――――――――――


放課後


江夢「おい!遊ラーメン食いに行こうぜ!」


遊「そうだな。」


俺達はクイズ回廊をクリアしたペアとして有名になっていた。

しかし、有名になると必ず出てくる奴もいる。


鬼島「おい!てめぇら止まれ!」


こいつの名前は鬼島竜峡

ヤンキーで学校でも取り上げられている問題児。


遊「何だ。」


江夢「何だよ!?」


鬼島「お前等クイズ回廊で賞金貰ったんだろ?少し俺らに回してくんないかな?」


遊「断る、これは俺達で勝ち取った賞金だ。」


すると鬼島がいきなりガンをとばして詰め寄る。


鬼島「てめぇらやっちまうかんな!」


不良「鬼島、やっちまうか?」


しかも最悪な事に不良が二人も割り込んで来た。


このままじゃ、仕方ない今回は俺が遊を守る!


江夢「おりゃー!」


俺は不良に飛び掛かったが、腕を掴まれ膝蹴りをくらい倒れる。


江夢「ぐわぁ!」


ツー

ピタッピタッ


江夢「うっ!鼻血!」


その時遊の目つきが変わった。


遊「お前等.........」


不良「なんだてめ!」


不良の一人が遊に近寄る


ブォッ!

バキッ!

遊が足蹴を不良の顔面に喰らわせた。


不良「ぐぎゃあ!」


不良は倒れ込んで動かない。

顔面から結構な出血をしていた。


不良「このやろ!」


遊は不良の腕を掴み、引っ張ってから肩甲骨の辺りに手を当てえぐり出すように突っ込んだ。


グキッ!ドガッ!


不良「グッ..........!」


不良は倒れ込んで攻撃されたところを押さえて苦しんでいる。


遊「大丈夫だ......肩が脱臼しているだけだからな。」


鬼島「て、てめぇ!何しやがる!」


遊は鬼島の方に向き直って

遊「お前等が江夢に手を出さずに帰れば良かったのに.........!」


遊はジャンプして、鬼島の後ろに回り首を足で締め上げた。


鬼島「がっ........くっ........!」

鬼島は腕で遊の足を掴み離そうとするが遊の力が強いために離せない。


遊「..........」


鬼島が倒れる。

しかし、遊は離さない。

首を締め上げる。

鬼島が今にも死にそうな顔をして遊の足をギブアップの意味で叩いている。


鬼島「くぉ..........」


鬼島は気絶した。

すると、遊はやっと鬼島を離し立ち上がった。


遊「江夢大丈夫か!?」


遊が俺に駆け寄る。


江夢「あぁ、大丈夫だ。ごめんな遊。」


遊「江夢が謝る必要はない、悪いのはあいつらだしな。」


鬼島達はまだ倒れていた


江夢「遊、あいつら......」


遊「大丈夫だ。死んでる訳じゃない。」


遊が渡してきたティッシュを鼻に詰める。


遊「全く、自分達から仕掛けてきていざやられたらギブアップなんてむしが良すぎる。」


深谷「なにしてる。」


深谷が近寄ってきた。


遊「あの不良達がいきなり襲い掛かってきて.......」


深谷「分かった。じゃあお前等は帰りな。」


こうしてこのあと俺達は帰るついでにラーメンを食っていった。


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