脱落!?天使と悪魔
小鳥がさえずる。
朝の太陽の光が窓から差し込んでいる。
俺はまだ少し眠い目をこすり、起き上がる。
あくびと共に背伸びをして枕元の携帯で時間を見ると...........
8時.......
江夢「やぁあああっちまったあぁぁぁ!」
.................こうして俺の後悔と共に今日が始まったのだった。
遊「今日は江夢遅かったな。」
江夢「それは言わんといてーな。」
しかし何で遅刻した人間を皆は冷たい眼差しで見つめるのだろう。
遅刻した人間だって遅刻したくてした訳じゃないと思う。
広瀬「おはよう!」
江夢「おう、おはよう。」
遊「おはよう。」
広瀬がネックウォーマーをしてこちらにやって来た。
広瀬「遊は今日は誰と組むんだ?」
遊「今日?」
江夢「あぁ!お前知らないのか。今日はこの東部中学校の年間行事クイズ回廊の日だぜ。」
クイズ回廊とは!
この東部中学校で年に1回行われる行事で生徒たちが普段生活する校舎とは別の校舎で行われる。
とにかく、クイズを先生に出されてそれに答えるものである。
江夢「分かったか?」
遊「小説は便利だな。」
広瀬「クイズ回廊は好きな奴と二人でペアを組んでやるんだ!」
遊「それなら.......俺は江夢と......」
すると、やはりあの人が黙っていなかった。
そう、白石が教室に入ってきた。
雪「遊!今日あたしと組まない?」
クラスの男子の視線が俺にまで突き刺さる。
読者の皆さんは忘れたかもしれないが白石は男子にかなり人気がある。
その証拠にこの前の深谷との闘いの後に遊んだ時大悟達は緊張で一言も喋らなかった。
遊「すまない、今日のクイズ回廊は江夢と組むことにしたんだ。」
雪「...........そうなの、仕方ないわね。」
そういって白石は教室から出ていった。
その後、俺の背中に寒気が走ったのは気のせいだろうか?
広瀬「俺は航平と組むことにしたぜ!」
江夢「航ちゃんね。まぁ予想通りだな。」
航平というのはテニス部で日焼けして気が弱いのか強いのか分からん奴だ。
遊「江夢組んでくれるよな?」
江夢「おう!........役に立つかは分からないけど.........」
―――――――――――
クイズ回廊開催!
という訳で俺達は一旦体育館に集められた。
そこにはほとんどの教師が揃っていた。
その中には四ツ倉や金子、深谷先生もいた。
山口先生という結構年のいった先生が司会をする。
山口「校長先生のお話!校長先生お願いします。」
壇上に廣瀬校長先生が上がりマイクをとった。
廣瀬「おはよう諸君!!これから始まるクイズ回廊。すべてをクリアした者には賞金を与える!」
わあーーーーーー!
生徒達は賞金という言葉に盛り上がる。
生徒「俺が一番にやるんだ!」
生徒「バカヤロー!金は俺のもんだ!」
生徒「早くやらせろ!」
バンッ!!
校長が台を叩く。
廣瀬「黙れ!無能なクズどもが!いちいち金に目が眩み、騒ぎおって!そんな醜いやつが勝てるはずがない。だいたいクイズ回廊になんのリスクも無く挑戦できるとでも?」
ザワザワ
リスク無しに挑戦できないって?
廣瀬「今からお前等にはゲームをしてもらう。」
佑太「ゲーム?」
廣瀬校長と広瀬の苗字が似てるので広瀬は佑太にしよう!
廣瀬「これから行ってもらうのは天使と悪魔!まずはルールを説明しよう。」
体育館の横のスクリーンにコインが映った。
コインは表は金色で天使の模様があり、裏は黒光りして悪魔の模様がある。
廣瀬「まぁ、安心しなさい。これは予選だ。馬鹿でもできるゲームだからな。まずはジャンケンをする。勝った者がコインを投げ裏表を当てる。それだけだ。」
確かに簡単なルールだけど、こんなの運勝負じゃないのか?
遊「大丈夫だ江夢。この勝負負けない。」
一体遊の自信はどこからくるのだろう?
ゲームが始まり皆が配られたコインを片手にペアで勝負していた。
和樹「江夢。勝負しようぜ。」
こいつは和樹。
俺と同じクラスの男だ。
機械とかネット関係が得意なやつ。
遊「江夢の友達みたいだから言っておくけど、本当に良いのか?」
和樹「ひでぇな、やろうって言ってんだから大丈夫だ。それに寧ろ負けたいんだ。」
江夢「負けたい?」
和樹「いやぁ、俺のペア坪井なんだけどクイズなんか興味ないし、正直負けたらみっちり自習だろ?でも、先生はクイズ回廊でいないからパソコン室でインターネットでもやってようかと。」
遊「そういうなら。」
そして和樹とまずジャンケンをする。
結果は和樹がグーで遊がパー。
遊「じゃあ、俺がコインを投げるぜ。」
チーン
金色と黒が回転して遊の手に落ちる。
遊「表だ。」
遊が手の平のコインを開けると、天使が輝いていた。
和樹「頑張れよ江夢。まぁお前は役に立たないだろうけど........」
ムカつくが本当のことなので何も言い返せない。
遊「いや、江夢だって役に立つよ。」
その言い方もどうかと思うが言うと面倒なのでやめておいた。
遊「じゃあ、もっとゲームをしに行こうか。」
遊は体育館の中心に立ち対戦相手を探しに行っていた。
その後遊は連勝に続く連勝!
ついにタイムアップが鳴り響き、俺達はクイズ回廊の挑戦権を手に入れたんだ。
江夢「やったなぁ!」
遊「当然だよ。」
俺はずっと気になっていた事を聞いた。
江夢「なんでそんな勝つことに自信があったんだよ?」
遊は少し不思議な顔をして、説明を始めた。
遊「まずジャンケンだが大体の奴はグーを出す、さらに出す前の手の動きを見ればグー以外だ。それなら大体はパーをだせば勝てる。少しでも動きを見せたら、チョキを出せば最悪あいこになる。」
江夢「ジャンケンは分かったけど、肝心のコイントスは?それが当たらなきゃ結局................」
遊「江夢見てろ。いくぞ表だ。」
チーン!
遊がコインを投げる。
手の平にコインが落ちると、遊が隠す。
そして開くと、天使が輝いていた。
遊「ほらな?」
江夢「たまたまじゃないのかよ?」
遊「なら見てみろ。」
遊はその後も裏、裏、表と3回連続で当てた。
江夢「いい加減に何か教えてくれよ。」
遊「これはタネというかコイントスはある程度練習してものにすれば裏表ぐらい自由自在に操れる。」
江夢「なんだそれ........」
とりあえず、クイズ回廊は午後からなんで給食でも食いに行きますかね。
感想にキャラクターについての質問を書いてくれれば答えます。