表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

バレンタイン大パニック!?

四ツ倉との勝負から2日が過ぎた。

相変わらず遊はまだクラスに馴れていない様で喋るのも俺の一人だけだ。


江夢「しかし、今日は憂鬱だなぁ。なぁ遊?」


遊「えっ、何が?」

遊は何も知らないという顔をした。

いわゆるポーカフェイスってやつだ。


江夢「またまた惚けるなよ!バレンタインだよ!バレンタイン!」


そう今日はバレンタイン女子達はキャーキャー言いながら持ち寄ったチョコを誰に渡すか話している。


江夢「チョコ欲しいな~..............無理か。」


遊「チョコねぇ.........」

すると遊が机の中に手を入れると顔をしかめた。


江夢「どったん?」


遊「............なんかあった。」

遊の手にあったのは綺麗にラッピングされたチョコだった。

しかも手紙付きのいかにも本命ですといった感じだ。


小倉「お前!!チョコ貰ったのか!?誰から誰から?」


こいつは小倉っていう

正直言うと肥満体型で朝だって寒いのに汗かいてやがる。

かなりの食いしん坊で給食中騒いでるのはほとんどこいつだ。


遊「欲しいならやるよ。このチョコ。」


小倉「マジかよ!」

小倉は目を光らせて手を伸ばした。

すかさず俺は止める。


江夢「おいおい!待てよ遊。それは貰った女の子に悪いぜ。それにこいつの体型見ろよ。チョコなんかあげて良い体型かよ!」


遊「その点は心配ない。今日の給食は糖分があまりない。デザートさえ控えれば充分大丈夫だ。それにこのチョコ、ビターチョコで甘さ控えめだ。でも確かに渡してくれた女子が俺に食べてという意味があるなら小倉に渡すのは失礼だな。」

というと、遊はチョコを取り出し食べた。


遊「.............!」


遊が口を抑える。


小倉「なんだマズイかったのか?」


江夢「どうしたんだ?」


遊「いや、ビターどころかノンシュガーだ。俺には少し苦い。」

そういうとバックからお茶を取り出し飲んだ。


遊「はぁ。」


ため息を漏らす遊。


江夢「そういえば、誰からの手紙だったんだ?」


小倉「そうだよ。誰からなんだ?」


江夢「ウッセー!テメーはどっか行ってろ!」

小倉を追い払い、手紙の差出人を見る。


遊「白石雪?知らないなこんな人。江夢知ってるか?」


江夢「し、白石雪!?う、嘘だろ!」

俺は机から転げ落ちそうになった。


遊「なんだ知ってるのかこいつ?」


江夢「馬鹿野郎!白石雪といえばうちの学年いや学校一の美女と噂のあの白石雪しかいねぇだろ!」


遊「ふ~ん。」

遊はあまり関心のない様な顔だった。


江夢「お前、白石雪から手紙貰ったなんて間違っても男子に言うなよ。」

俺は釘を刺した。


遊「なんでよ?」


江夢「この白石雪って女子はな、親衛隊まであるらしくてよそれこそ男子に何されるか分かったもんじゃねぇんだ。」


遊「江夢はこの白石のこと好きなのか?」


江夢「好きっていうよりは憧れ的存在だな。高嶺の花ってやつだよ。」


遊「そうか。」

遊は少しホッとした表情を浮かべ、俺の方を見た。


江夢「そういや、手紙にはなんて書いてあったんだ?」


遊「うっ、あ、あぁえーと」


江夢「ええい!貸せ読んでやる。何々.........」


奈雲君へ

どうも初めましてこんにちは白石雪です。

奈雲君は私のことまだ知らないよね。

実はね、私ねあなたのことが好きになっちゃったみたいなの。

ごめんね。

突然で驚いたよね?

でも本当なの..................

私男子にチョコあげるの初めてだからうまく作れなかったかもしれないけどよかったら食べてね。

後、返事聞きに今日の放課後校舎の裏で待ってるから。

6時まで待ってます。

白石雪より


江夢「あの.........その.............なんていうか..............ゴメン。」


遊「別に謝ることはないさ。見ちゃったものはしょうがない。」


江夢「ありがとう。でも遊返事どうするんだよ。今日待ってるって言ってるぜ。」


遊「とりあえず、1回話してみるよ。江夢は先に帰ってて良いよ。」


江夢「あぁ、分かった。じ、じゃあ先に帰ってるわ。」


―――――――――――

そして放課後


ザッザッ

遊が校舎の裏にやって来た。

遊「少し早かったか?」


白石「奈雲君!」


遊が振り返ると、そこには茶色っぽいロングヘアーをカールして肌色は美白といった感じ。

目はくっきりとしていて鼻筋もしっかり通っている、まさしくこれぞ美人といった感じだろう。


白石「手紙読んでくれたんだ。」


―――――――――――

その頃江夢といえば..........


江夢(なんで俺はあの二人を覗き見てるんだ?確か帰るにも暇で暇つぶしに遊の様子を伺いに来たんだが...............)


江夢は物陰から二人の様子を伺っていた。


遊「白石...........」


雪「返事聞きたい.........」


江夢(ヤバいヤバい!!もう俺の入れるムードじゃないぞ!ってか入ろうとすんなよ俺!)


遊「返事なんだけど白石のことまだよく知らないし.............」


雪「だからダメ?」


遊「いや、違うんだ。決して嫌いな訳じゃなくてだな...........」


雪「じゃあなんなの?」


江夢(あらら、遊のやつ完全に雪のペースだよ。まぁ遊は基本的に女子とは絡まないからな。どうするんだよ遊。)


遊「あの高嶺の花の白石には俺は似合わない。」


江夢(は、はぁ~!?高嶺の花っておい!俺のパクりだろ!)


雪「そんなことないよ。周りなんて関係ない。私は奈雲君が好きなの。それだけ!」


江夢(白石さん結構強気だな。あの遊がたじたじだよ。)


すると、俺と遊の目が合った。

ヤバッ、直ぐさま俺は隠れる。


数秒後

メールが来た。

差出人は遊からだ。

本文

江夢?

そこにいるのは分かってる。

頼む、なんとか良い言い訳はないか?


俺はとことん遊は女子に弱いなと思い

とりあえず友達からって言えば大丈夫!

と送った。


すると、

遊「とりあえず、友達から始めよう。」

これなら終わるだろ。

俺は思った。

白石のことだ。そんな優柔不断に付き合ってられないとやめるだろ..............


雪「分かった。友達からね!」


江夢(え、えー!やっちまった。OKされちまったよ。)


そのあと、遊と白石はメアドを交換し白石は帰って行った。


遊「江夢?」


俺は物陰から出る。

江夢「よ、よう。なんか悪かったな。」


遊「いや、江夢がいなかったらどうしようかと思ってたよ。」


江夢「そうか。」


遊「帰ろう。今日は何だか疲れた。」


まぁ今日は遊が女子に弱いこと知れてよかったな。


遊「ホワイトデーはどうしよう?」


江夢「なんとかしよう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ