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054⚫️二つめのボタン & 055⚫️天才の自覚 & 056⚫️Imagine

054⚫️二つめのボタン


ブリッジにも、威勢のよい音楽が流れ続ける。


「艦長、向こうはなんだか、内輪揉めでもしているのか、バタバタしていますね。秩序だった行動がとれていないようです。」

「そうだな。組織的な統制が取れていない。次弾も来ないようだ。」

「指揮系統が麻痺している隙に、いっそ近接戦に持ち込みますか?パーンチ&キィークで、艦ごとひっくり返せそうですよ。」

「いや。せっかくだから、二つめのボタンを試してみよう。」

「あっ、次のがあるんですかあ!」



055⚫️天才の自覚


う〜ん、そうかあ。赤ちゃんが泣き出すこともあるのかあ。

それにも対応してほしい、って追加リクエストが来たんだよねえ。

・・・そうだ!落ち着かせればいいんじゃない?


音楽を流して、

いっしょにおだやかな気持ちになる精神安定波を同期させて放出する

・・・これだと人体に無害だし、もし聴力が十分でない子にも効果バツグン!

よし、できる!

もしかして、ボクって天才?!


ヒロは千年に一度の天才なのである。本人に自覚はないが。



056⚫️Imagine


マチルダが二つめのボタンを押し込んた。

コンバット・マーチがフェイド・アウェイする。

巨人が両足を肩幅にひろげ、左手を天に、右手を腹の前へと構えた。

右手の指が動き始める。エアギターだ。

さらに口を開け、大きなマルチ・スピーカーがスタンバイ。

柔らかなメロディが海に広がり、巨人が歌い出した。


♫♪ ♪ 想ってごらん 線のない地図を    

   手と手が触れて 名は要らない    

   奪い合うより 分かち合うこと    

   いま ここから はじめよう


♫♪ ♪ 信じてごらん 声のない合唱うたを    

   波が返事し 風がうなずく   

   恐れのは やさしく消せる    

   いま ここから はじめよう


「うっ・・・なんだ、この曲・・・?」

「なんだか・・心地いい・・・。」

「胸の奥があたたかくなる・・・。

「臨時艦長・・・もう、戦うのやめましょうよぅ・・・。」

「わし、もう機関停止する。よいっしょっと。」


プシュー。機関が停止し、バーバラの海上艦は動きを止めた。

その時、ついに劣化した外壁が崩壊し、艦内へ大量の海水が流入し始めた。

トーマスの愛する艦が沈み始める。

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