017⚫️足跡をさがせ & 018⚫️ヒロの思考とステキな響き
017⚫️足跡をさがせ
参謀本部からの命令か。ふん、リズ総長の焦りが見えるようだ。
よし、出撃だ!我に続け!
なに・・・何もいない、というのか?
スクリュー音がまったくない、だと。
広域探知能力を限界まであげろ!
僚艦は適宜、分散して探知を実行!
そんな巨大な艦の足跡が見えんはずはない!
018⚫️ヒロの思考とステキな響き
さて、と。
子どもたちが乗るんだから、まずは’静か’じゃないとね。
巡航時の潜水艦って、どうしてあんなにゴウンゴウンとうるさいんだろう。
あれじゃ泣いちゃうよ。
だから、まずは音。音を消す。全部消す。
船体の振動も、推進音も、内部の響きも。うん、できる。
ふつうの金属じゃなくて、もっと柔らかくて、でも強い素材。
音を吸って、散らして、海に溶けるような・・・そう、海そのものみたいな外皮。
’音がしない潜水艦’なんて、レトロ感はないけど、いいの。
これは子ども向けのアトラクションなんだから。
・・・で、次は安全。
座礁なんてしたら大変だ。
海って、見た目よりずっと複雑なんだよね。
流れがあって、温度の層があって、
酸の濃いところと薄いところがあって、微粒子が踊ってて・・・。
あ、そうだ。
それ全部、読めばいいんだ。
イワシ一匹だって、どこにいるかわかる!
魚群やイルカが見えれば、みんな喜ぶぞ!
海流のクセも、酸の濃度も、溶存酸素の偏りも、海底の形も、
ぜ〜んぶまとめて’海の地図’にしちゃえばいい。
そしたら、どこが危ないか、どこが浅いか、どこに岩があるか、も全てわかる。
うん、これもできる。
だって海は嘘をつかないもんね。
流れと粒子と温度が、ちゃんと教えてくれる。
・・・あとは、海底。
子どもたち、絶対に見たいよね。
海底の山とか谷とか、沈んだ船とか、キラキラした砂とか。
でも光は届かないし、カメラじゃ濁って見えないし・・・。
じゃあ、音で’見る’しかないか。
低い音なら、海底まで届く。反射して戻ってくる。
その反射の’影’を読めば、海底の形が浮かび上がる。
うん、これもいける。
魚やイソギンチャクを驚かせないよう、聞こえない音でやればいいじゃない!
ちょっとした’海底スキャン’だね。
ふふ。
なんだか、すごいものができちゃいそうだな。
いいんじゃな〜い!
子どもたちが、海を怖がらずに、安心して、
わくわくしながら旅ができるようにするためのもの。
だから、色は黄色。
絶対に黄色。
海の中で一番かわいくて、一番目立って、一番安心する色。
名前、どうしようかな。
強そうで、でも優しくて、ちょっと古風で、でも響きがいい名前。
・・・ナガト。
うん、これだ。
’ナガト’だ。
さあ、描こう。
海に溶けて、海を読み、海底を透かす・・・
そんな、世界で一番やさしい潜水艦を。
あっ、ヤマト、ありがとう!君のトマトジュース、最高!
えっ?’ナガト’って、君の名前の響きと似てるって?
いいんじゃな〜い!!




