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4.

 やがて気付くとつむぎの二十三歳は終盤にさしかかっていた。

 仕事も慣れてきて、少しは役に立っていると思う。

 出会いはあった。

 お客様の無理難題を人海戦術で応えているだけに、老若男女問わずそれはもう出会いのビュッフェスタイルかと言いたくなるほどに。


「ねえ休みの日に、どこか案内してくれないかな?」

 プロジェクトの親睦会の帰り道、新垣という男性がつむぎの声をかけてきた。

 彼はこの仕事のために関東から短期出向で来ている人たちの一人で、もうすぐ三十歳と聞いている。

 修学旅行でこの地に来たことはあるけれど、駆け足だったからと言うのは口実だと、さすがのつむぎも解る。


『彼はね、おススメだよ』


 どうやら新垣がつむぎと親しくなりたいと周囲に話したらしく、少し前から先輩や上司たちが仕事の合間の世間話に彼をおススメされていた。

 新垣は沖縄方面出身だそうで、とてもアクティブで日なたが似合う人だった。

 人望もあるし、優しそうだし。

 就職してまだ一年経っていないひよっこつむぎにとって三十歳の男性はものすごく頼れる大人に見え、これこそがお告げの通りなのでは? と思い、誘いに乗った。


 それから毎週末、ウィークリーマンションに滞在している新垣と一緒に出掛けた。

 最初は近くの観光地、そして少しずつ遠くへ。

 電車やレンタカーで数時間かかる場所へと足を延ばす。

 正直なところインドア派のつむぎはドライブデートに詳しくない。

 そもそもデートなんて未経験なのに、案内するとか、無理難題もいい所だったが、請け負った以上頑張った。

 学生時代に友人たちに連れて行ってもらった所を一生懸命思い出し、ガイドブックやネットで調べ、それを提案すると、新垣は喜んでその話に乗ってくれた。

 そして、つむぎが今まで男の人と付き合ったことがないのは新垣にバレバレだったのだろう。

 彼は、手をつないで歩く程度の、今どき珍しい清いお付き合いを続けてくれた。

 しかし、そんな平和な週末もある日終わりを迎えた。

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